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「アジア系アメリカ人とばかり言われるのはイヤだった」──『オーシャンズ8』でスリ役に抜擢された中国系女子ラッパーの思い

Awkwafina Breaks Out

2018年12月18日(火)17時05分
ニューズウィーク日本版編集部

自作のラップ曲の内容をとがめられ、仕事をクビになった経験も JEFFREY MAYERーWIREIMAGE/GETTY IMAGES

<『オーシャンズ8』ですご腕のスリを演じたオークワフィナにとって今年は飛躍の年。4年ぶりの新曲も発表して大ブレイクの予感が>

映画『オーシャンズ8』の主要キャストには、サンドラ・ブロックやケイト・ブランシェットをはじめとするスター女優が名を連ねている。その中にオークワフィナという名前があるのに驚いた人もいるかもしれない。

この作品ですご腕のスリ役に抜擢されたオークワフィナ(29)は、ニューヨーク・クイーンズ出身のラッパー。本名はノーラ・ラムと言い、中国系移民の父と祖母に育てられた。

彼女の名を世に知らしめたのは、12年に発表したミュージックビデオ「マイ・バギュ」。タイトルどおり、女性器をネタにしたふざけた歌だ。

最近はメジャーな活躍が目立ち、『オーシャンズ8』『クレイジー・リッチ!』と出演映画が相次いで公開される。『クレイジー・リッチ!』はケビン・クワン作のベストセラーの映画化で、彼女はコンスタンス・ウー演じる主人公の親友役だ。

今年は大ブレイクの年だと言われると悪い気はしないが「今年が天井でなければいいと思う」と、彼女は言う。「いつも、次はもっといい年にしたいと思っているから」。本誌アンナ・メンタが話を聞いた。

***

――「マイ・バギュ」がネットで注目を集める前は何を?

オフィスで働いていた。動画を作ったときはYouTubeのことは頭になく、何人かの友人に送っただけで、それ以上広がるなんて思っていなかった。ところが動画の内容を理由に仕事をクビになってしまい、失うものが何もなくなったから(YouTubeに)動画を上げた。「公開」のボタンを押すとき、「就職の面接試験は二度と受けられなくなるかも」と思った。

――オークワフィナとは何者?

(ラッパーとしてのキャラクターを)思い付いたのは15歳の頃。(ペットボトル入り飲料水の)アクアフィナって変な名前だとずっと思っていたのに、まさか自分が似たような名前で呼ばれるようになるとはね。「オークワフィナ!」と声を掛けられると、いまだに「誰それ?」って感じ。ソーシャルメディアでは毎日のようにおかしな名前だと言われていて、オークワフィナという名前について話し合う掲示板があるくらい(笑)。でも今はこんな名前でも大好き。

――『オーシャンズ8』の出演が決まったという連絡はいつ、どこで受けたのか。

ベッドルームで。代理人やマネジャーや弁護士からの電話なんて恐ろしいことかすごいことのどちらかだけれど、あれは人生最高の電話だった。ベッドルームでパジャマ姿でくつろいでいたところだった。電話を切って「うわあっ」って。

――撮影中の思い出は?

一番面白い思い出の1つは、みんなでいきなり輪になって踊ってラップの歌を作ったこと。たしか言い出しっぺはサラ・ポールソンだった。サラってたぶん最高の人。

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スター女優が顔をそろえた『オーシャンズ8』(右端がオークワフィナ) ©2018 WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC.,VILLAGE ROADSHOW FILMS NORTH AMERICA INC. AND RATPAC-DUNE ENTERTAINMENT LLC

以前の職場のすぐ外でも撮影をした。撮影がほぼ終わる頃で、私は自分のトレーラーに向かっていた。夜の空に、自分が働いていたビルが、つまり私をクビにした職場が浮かび上がっていた。ぐるっと1周して元の場所に戻った感じ。

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