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遠い未来の話じゃない? 幹細胞と3Dプリントで自分の骨をオーダーメイド

Treating Our Bodies More Like Ecosystems

2019年06月03日(月)11時50分
ジュリアナ・ピニャタロ

――成功にどれぐらい近づいているか。

私にとって、成功とは患者の人生を変えること。私たちの技術で人々がもっと幸せで健康な、痛みの少ない生活を送れるようにすることだ。

次の段階は、人間の被験者が参加する臨床試験だ。この研究は、(患者本人や他人の細胞を投与して治療する)細胞治療に近い。私たちにとって、細胞は薬の有効成分のようなものだ。

最初の試験は無事に終わるはず。それが証明できれば、被験者を増やし、私たちの製品の有効性を示せると思う。

――あなたの挑戦が成功したら、世界はどうなると思う?

20年後に私が見たいと思っているのは、私たちが自分の体を1つの生態系のように扱う世界。もし何かを修復する必要が生じたら、自分の体が「細胞の再生可能資源」になり、時間をかけて自分自身を修復する。

私たちは既に、自分の体内にその能力を持っている。人体の自己再生能力を真の意味で解き放つ未来の到来は、遠い先のことではないと思う。


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※6月11日号(6月4日発売)は「天安門事件30年:変わる中国、消せない記憶」特集。人民解放軍が人民を虐殺した悪夢から30年。アメリカに迫る大国となった中国は、これからどこへ向かうのか。独裁中国を待つ「落とし穴」をレポートする。

[2019年6月 4日号掲載]

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