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世界一有名なドラァグクイーン、ル・ポールの唯一無二のワイドショー

More Than Putting on a Wig

2019年08月26日(月)18時40分
ニューズウィーク日本版編集部

同性愛者の権利を求め るデモ集会で(93年) PORTER GIFFORD−LIAISONーHULTON ARCHIVE/GETTY IMAGES

<今度はトーク番組のホストに──LGBTQを代表するル・ポールに聞く、ドラァグクイーンの本質と「裸の王様」トランプ>

オープンな同性愛者で、国際的な知名度を誇るセレブといえば......エレン・デジェネレスを除けば、まず名前が挙がるのは ル・ポールだ。ハリウッドにそびえる存在感とその偉大なキャリアによって、彼は「普通」の枠に収まりそうのない人々のためにいくつもの扉を開いてきた。

今ではドラァグクイーンはいわば日常的な光景になり、世界中で数々の映画や舞台に登場し、大勢の心をつかんでいる。コンテスト番組『ル・ポールのドラァグ・レース』が人気なのも、美容関連動画がYouTubeで台頭しているのも、ドラァグクイーン人気がメインストリームで高まっているから。そして ドラァグを身近な存在にした人物こそがル・ポールだ。

そして最近では、愛と受容という「ル・ポール印」を昼間のお茶の間に持ち込んだ。FOXテレビで6月に放送開始したトーク番組『ル・ポール』だ。

この番組は、性的少数派の文化と権利主張の日常化という姿勢の完璧なお手本。歌手のアダム・ランバートに新たなボーイフレンドの話を聞く一方で、オクラホマ州で地元の同性愛嫌悪と闘う運動を展開する母親、サラ・カニンガムに脚光を当てるトーク番組など、ほかにどこで見られるだろう?

『ル・ポール』やドラァグクイーンの本質、アマゾン・プライムが配信する懐かしのテレビドラマ『ジェシカおばさんの事件簿』、そしてドナルド・トランプ米大統領を番組ゲストに迎える日について、ライターのH・アラン・スコットが話を聞いた。


――『ル・ポール』はデイタイム番組という分野をどう変える?

番組では本物の会話をしている。質問の答えを全部、事前に用意したりはしない。本番前に話題について打ち合わせはしているけれど、ゲストが登場した時点で、履いている靴とか、何か目を引くものがあったらその話を聞く。自分の家の居間にいるときみたいに。本物の自然な会話をしているからこそ、説得力があるのだと思う。

――『ル・ポール』の製作責任者ジル・バン・ロケレンは、11年に放送終了した『オプラ・ウィンフリー・ショー』のプロデュ ーサーだった。同番組とオプラから影響を受けている?

私たちの番組は『オプラ・ウィンフリー・ショー』の続きという感じ。でも(初めてテレビ番組に出演した)82年からの映像をYouTubeで確認してもらえば分かるけど、私のメッセージはずっと変わっていない。いつだって「自分自身を愛せないなら、どうやってほかの人を愛せる?」と言ってきた。自分を愛することを学ばなきゃ。

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