最新記事
ファッション「なんか臭う...?」あなたに朗報! 善玉菌入りウエアで嫌なニオイにさようなら
The Probiotic Bodysuit
汗に触れると体臭を抑える効果を発揮するボディスーツ GEORGE SARGENTーREUTERS
<「体臭を抑える」ボディスーツで環境も健康も守る>
体臭が悩みの人には朗報かもしれない。「体臭を抑える」という触れ込みのボディースーツが登場した。
「スキンII」と名付けられたボディースーツの生地には、体に好ましい働きをするバクテリアが織り込まれている。その「善玉菌」が汗に触れて活性化されると、体臭を抑える効果を発揮するという。
「体臭を生むのは汗ではない。バクテリアが体臭の原因になる」と、「スキンII」を発表したロンドンのデザイナー、ロージー・ブロードヘッドはロイター通信に語っている。「そこで、生地に善玉菌を織り込むことで好ましい細菌叢を作り出し、体 臭を抑えようと考えた」
善玉菌(プロバイオティクス)とは、十分な量が存在すれば体に好ましい影響を及ぼす微生物のこと。ある種のヨーグルトやピクルスなど、食品の中にも共存している。「スキンⅡ」の共同開発者であるヘント大学(ベルギー)の微生物学者クリス・カルワートは、体臭の原因を徹底的に研究し、人間の皮膚でよく見られる善玉菌を用いることを提案した。
【参考記事】悪臭で飛行機を降ろされた男性、体組織が壊死する感染症だった
期待される効果は、体臭の軽 減だけにとどまらない。地球環境への好影響も期待されている。「体臭を抑えられれば、制汗剤や衣料品に使われる抗菌剤などの化学物質を減らせるかもしれない」と、ブロードヘッドは本誌に語る。「衣服を洗濯する頻度も減らせる可能性がある」
さらに、彼女はこうも述べている。「廃棄物や環境への負荷など、ファッション業界の環境問題への関心が高まっているけれど、衣料品に添加される化学物質が体に及ぼす影響にはあまり関心が払われていない」
もともと、彼女が抱いていた最大の目標は、皮膚に害を及ぼさない衣服を作ることだった。しかし同時に、環境への負荷も最小限に抑えたいと考えていた。その結果、体臭抑制効果のあるボディースーツというアイデアに行き着いたという。
次は、このテクノロジーを活用したスポーツウエアブランドを立ち上げたいとのことだ。
※9月10日号(9月3日発売)は、「プーチン2020」特集。領土問題で日本をあしらうプーチン。来年に迫った米大統領選にも「アジトプロップ」作戦を仕掛けようとしている。「プーチン永久政権」の次なる標的と世界戦略は? プーチンvs.アメリカの最前線を追う。
[2019年9月10日号掲載]