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ダイバーシティ先進国ベルギーから観る欧州 LGBTQI 事情

ひきりん|ベルギー

彼女から彼女へ、彼から彼へ、さりげない告白はいかが?バレンタインに見るソーシャル・インクルージョン

こうしたマーケティング方法は「インクルーシブ・マーケティング」と呼ばれ、一人ひとりの多様性を積極的に受け入れて尊重して、これまでのマスマーケティングでは取りこぼしてきたような人々にも、あまねくアプローチしていく手法です。

インクルーシブの派生元の名詞「インクルージョン」という単語は、「包含」「包摂」を意味します。そして、価値観や考え方、政治的立場、思想・宗教、国籍や性別、性のあり方や恋愛対象など、さまざまな違いのある多様な個人を排除せずに、お互いに認め合って社会全体として包み込んでいく考え方を「ソーシャル・インクルージョン(社会的包摂)」と呼びます。

コロナ禍にあって、これまでの常識のままでは太刀打ちできない様々な課題が山積みであることが可視化され、実感されたこの一年。その中には「社会的孤立」も含まれ、その深刻度が高まりを見せており、「ソーシャル・インクルージョン」の必要性が以前にも増して叫ばれています。

今回のダンドワのポスターでは、主に人種や国籍、そして性的指向(性自認も含め)という、社会において孤立しがちなマイノリティー達に焦点を当てての「社会的包摂」を訴えるものでしたが、コロナ禍の一年を経て、今後も一層様々なかたちでの「包摂」のあり方が表現され、世の中に認知されることを期待します。

今日の皆さんのバレンタインの告白の中には、もしかしたら、女子から女子に宛てての、そして、男子から男子に宛ててのものもあるかもしれません。性的マイノリティー当事者ではない人だったら、一瞬ビックリしてしまうかもしれませんが、少なくとも勇気を振り絞って告白した、もしくは好意を持っている旨を伝えた相手の気持ちには寄り添ってあげてくださいね。

そして、シャイな当事者の皆さんには、ダンドワのビスキュイが来年には日本でも手に入って、同性の好きな相手に「さりげなく」渡せるようになったら良いですね。

ということで、僕から夫へのプレゼントは、もちろん最後の一枚だったこちらです!

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メッセージカードとポスターと同じカードが同封されています。筆者撮影 © hiquirin

 

Profile

著者プロフィール
ひきりん

ブリュッセル在住ライター。1997年ドイツに渡り海外生活スタート、女性との同棲生活中にゲイであることを自覚、カミングアウトの末に3年間の関係にピリオドを打つ。一旦帰国するも10ヶ月足らずでベルギーへ。2011年に現在の相方と出逢い、15年シビル・ユニオンを経て、18年に同性婚し夫夫(ふうふ)生活を営み中。

ブログ:ヨーロッパ発 日欧ミドルGAYカップルのツレ連れ日記 

Twitter:@hiquirin

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