World Voice

米国大学で戦う学生アスリートの挑戦

黒崎優香|アメリカ

米国大学で活躍する町 環 (まち たまき) さんの物語【前編】

(写真: 町さん提供)

今日はアメリカの大学で活動している選手にインタビュー形式で質問をしていきたいと思います。いつもは私のnoteで書いているのですが、今回はWorld Voiceさんで書かせてもらおうと思います。アメリカの大学について知ってもらえたり、何か少しでも参考にしてもらえると嬉しいです。前編と後編の二回に分けて書いていきたいと思います。【聞き手:黒崎優香 】

黒崎: 自己紹介をお願いします。

町さん: 今回はインタビュイーに選んでいただきありがとうございます。NCAA1部のGeorge Washington University(ジョージワシントン大学)で ビジネスを学びながら女子サッカー部に所属している町 環(マチ タマキ)です!東京都出身、現在21歳です。父の仕事で0歳〜幼稚園をタイ、小学校を日本、中学校をイギリス・カナダ・中国で過ごしました。サッカーは4歳から始め、男子チームと女子チーム両方の練習に参加していました。中学では転勤が多かったため1年半ほどサッカーをしていない時期もありましたが、2014年に都立国際高校に入学すると同時にスフィーダ世田谷FCユースに入団し、キーパーに転身しました。2016年度には、トップチーム(なでしこ2部)とユースの2種登録で活動し、同年、U-17日本代表候補合宿に選出されましたが前十字靭帯断裂のため参加は断念しました。高校卒業後、サッカー奨学金のオファーを受けアメリカのケンタッキー大学に進学しました。ケンタッキーではゆうかさんと1年間プレーしましたが その後は共に転校を決意し、私はDCにあるジョージワシントン大学(division1)に編入しました。現在もチームは異なりますが、同じ学生アスリートとして互いに刺激を受けあいながら頑張っています。

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(写真: 筆者撮影)

黒崎: アメリカの大学進学を選んだきっかけ・決め手はなんでしたか?

町さん: 大学受験シーズン中は色々な迷いもありましたが、レベルの高いサッカー、英語の習得、新しい挑戦、など私が求めていたものが全て満たされる選択肢がアメリカ大学へのサッカー進学でした。幸運なことに父の仕事で2年半ほど英語圏に住んでいたことがあり、渡米する上での語学力に大きな問題はありませんでした。しかし、最初は親の承諾が得られなかったため、日本での大学受験も同時進行することを条件に、アメリカでのスポーツ進学の方法を探すことに同意をもらいました。奨学金を獲得できれば、学費や生活費がかからないことは両親にとっても望ましいことだと思いましたし、当時は単純に視野を広げられる環境と可能性に魅了され、アメリカ大学に進学するんだという強い気持ちを持っていたと思います。結果的には奨学金を獲得できたことがアメリカ大学進学の決め手でした。

黒崎: 進学までのルートを教えてください。

町さん: 受験期に入ってからアメリカ大学に興味を持ち始めたので、焦りと不安で最初は色々な留学組織の説明会に参加しました。しかし、どれも金銭面、現地での人脈や、サポート面でいまいちなものが多く、なかなか前に進めないでいました。高校3年生の12月頃、AO入試で日本の大学に合格し、親から出された条件をクリアしたことでアメリカ大学探しに専念することができたと思います。

高校卒業直前の1月に、知人(個人エージェント)の紹介でミシガン州のサッカークラブで行われるトライアウト(米国大学のコーチが高校生をスカウトするイベント)に参加することが決まりました。参加が決定したのがイベント1週間前でしたが、両親は快く飛行機のチケットを取り、私を「頑張ってね」とミシガンに送り込んでくれました。イベント初日、午前中はクラブのキーパーたちに混ざり有名大学コーチの練習を体験し、午後は2〜3試合ほどゴールに入る機会がありました。すると、最後の選抜試合のようなものにも出ないかと声をかけられ、追加でもう1本プレーすることができました。そのイベントには60校ほどの大学コーチがスカウトに訪れていたと思いますが、その日の夜で約10校から「興味がある」とオファーがありました。ただ、100%奨学金を目指していた私にとって、全てが条件を満たすものではありませんでした。翌日、イベントとは別にチームの試合があり、他の大学が見に来ているからプレーしないかというお誘いを受け、試合に出場しました。

が、その試合で前十字靭帯を再び断裂してしまいました。次の日に帰国予定だったためアメリカでは病院にいかず、日本での診断結果を連絡をくれた学校に報告すると、オファーは減っていきました。結局、手術とリハビリを終えた後でも私を受け入れてくれると残った学校は2、3校でしたが、すでに日本人(ゆうかさん)がプレーしていたケンタッキー大学が他校と比べても体育部の規模が大きく、コーチの外国人選手への理解も深いと感じたため実際に見学に行くことに決めました。

NCAA(アメリカ大学スポーツ協会)公認の学校見学(oficial visit)の場合、飛行機代や食事代、宿代など全て学校側が負担してくれます。この時、他の学校も見学するチャンスがあったのにも関わらず1校にしか足を運ばなかったことは後悔していますが、この時はアメリカ大学に関しての知識がほとんど無く、自分がどのような学校を求めているのかがわかっていませんでした。ケンタッキー大学はアメリカ国内でも有名なバスケ強豪校のため、運動部の強い資金力が特徴です。プロ(またはそれ以上の)レベルのスポーツ施設と学業面でのアスリーへの手厚いサポートがとても魅力的に感じました。アメリカでは、大学コーチがより良い人材を集めようと高校1年生や2年生にオファーを出すことも少なくありません。もっと早くからキャンプやトライアウトに参加し始めていれば、余裕を持って学校選びができたのではないかと今は思っています。

続きは後編で書いていきたいと思います。お読み頂きありがとうございました。

IMG_7727.JPG(写真: 町さん提供)

 

Profile

著者プロフィール
黒崎優香

1997年6月12日生まれ。福岡県出身、アメリカ在住の学生。4歳から兄の影響でサッカーを始め、サッカー強豪校の藤枝順心高校に進学し、キャプテンとして全国優勝を経験。その後、米国大学のサッカーに魅力を感じ、言葉の壁にぶつかるも渡米を決意。現在は、オクラホマ大学に通いながら、サッカー部に所属している。これからの女子サッカーを盛り上げることや学生アスリートの日常を発信することを目的にYouTubeチャンネルの開設準備中。

Twitter: @yuuka_kurosaki
Instagram: yuuka_kurosaki
note: https://note.com/yuuka_kurosaki

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