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パスタな国の人々

宮本さやか|イタリア

再ロックダウン??のイタリア。 感染拡大の原因はイタリア人が不潔だからという件について。

ヨーロッパ最大級の青空市場、トリノの「ポルタ・パラッツォ」がひけた後 写真・著者撮影

前回私が「イタリアは毎日の感染者数を1500人台にキープできていて、第二波が拡大中のヨーロッパで優等生である」と書いていた10月1日の夕刻、実は新規感染者数が2,548人に増加していて、そこからはタガが外れたように、感染カーブはぐんぐん右肩上がりに上昇し続けているイタリア。2週間後の15日には8,804人。翌16日には1万人を突破して(10,010人)、もはや毎日の感染者が2万人だ3万人だと言っているフランスやイギリスよりはマシだよね、なんて言ってもどんぐりの背比べ。21日には1万5000人、死者もついに3桁になり、3月の悪夢再びなの?という状況になってきた。そしてこれを書いている今日23日はついに1万9143人。Rt(実効再生産数)は1,5。ちなみにフランスの新規感染者数は昨日4万人を突破したそうだ。

この数字だけ見ると、イタリアが世界で突出して感染状況が酷く、1日の死者数が1,000人にも迫っていた3月の頃よりもずっと多くてびっくりする。最大ピーク時は3月21日の6,557人だったから、何倍にも膨らんだことになる。ところが死者数が3月に比べたら圧倒的に少ない(10月23日現在91人)ので、全国規模のロックダウンはせず踏みとどまっている、でもいつなっても不思議じゃない、そんな不安な空気が蔓延している。感染力は増したが弱毒化しているから怖くないんだという声や、いや、そんな科学的根拠はどこにもない、すでに病院の集中治療室は50%以上が埋まってきていて、3月のような状態になるのも時間の問題だという悲観的な声が錯綜している。

第1波では感染を抑えられていたカンパーニャ州(州都ナポリ)では感染が急激に増えていて、早々と学校をオンライン授業のみに切り替えた(10月31日まで)。他の州でも時間差通学にしたり、オンラインに切り替えるところが続々と増えている。ミラノの州知事も来週から高校をオンラインに切り替えると発表。議会や保護者たちからの強烈な反対に対して「責任は私が取る」とコメントしている。1週間前に発表された政令では、イベントは禁止、でもレストランなどは営業可、家で友人を招いて集まるのは6人までならOK、だったのが刻々と状況は変わり、今週末ミラノ、ナポリ、ジェノバ、ローマは夜間外出禁止、一方、私の住んでいるピエモンテ州は週末に大型ショッピングセンターをクローズすると早々と決めていた。イタリアにはデパートはほとんどなく、ショッピングセンターに買い物客が集中するからだ。ところが今朝、23日になって、トリノも若者が多く集まる場所に限って23時以降、翌朝5時まで外出禁止、と言うトリノ市役所からのプレスレリースが回ってきた。だがそれも夕方には変更になって、ピエモンテ州全域で月曜日から夜間外出禁止となった。あれよあれよという間に、刻々と状況が変わって行った、3月のあの悪夢を思い出す。

Profile

著者プロフィール
宮本さやか

1996年よりイタリア・トリノ在住フードライター・料理家。イタリアと日本の食を取り巻く情報や文化を、「普通の人」の視点から発信。ブログ「ピエモンテのしあわせマダミン2」でのコロナ現地ルポは大好評を博した。現在は同ブログにて「トリノよいとこ一度はおいで」など連載中。

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