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南仏の国際機関から考える

大前敬祥|フランス

南仏教会襲撃テロ発生:なぜニースが狙われるのか?

南仏ニースにて (著者撮影)

10月29日(木曜日)、マクロン大統領の2回目のロックダウン(都市封鎖)のTV演説から一夜明けたこの日、南仏の国際都市ニースにて教会襲撃テロが起きました。

南仏ニースで教会襲撃テロ 3人死亡、うち1人は断首された模様

【10月29日ロイター】フランス警察によると、南部の都市ニースで29日、刃物を持った男が教会を襲撃し、3人が死亡、数人が負傷した。ニース市長はテロリスト攻撃との見方を示した。死亡した3人のうち、女性1人は首を切断されたという情報がある。エストロジ・ニース市長はツイッターで、ノートルダム教会かその近くで刃物による襲撃があり、警察が容疑者の身柄を拘束したと述べた。

警察は、襲撃で2人の死亡が確認されたとしている。警察関係者は、女性が首を切断されたと述べた。仏政治家マリーヌ・ル・ペン氏も、この襲撃での首の切断に言及した。エストロジ市長は記者団に、男が逮捕された後も「アラーアクバル(神は偉大なり)」と叫び続けていたと語った。

折しもこの週はトゥーソン(諸聖人の祝日)のバカンスの真っ只中であり、またロックダウンは翌日金曜日からということもあり、普段よりも多くの人で混雑する観光都市ニースでの悲劇です。

スクールホリデーとなるトゥーソンのバカンスシーズンは通常の年であれば筆者も当地の慣習に合わせて数日~1週間程度の宿泊を伴う旅行に出かけるのですが、今年は既に10月中旬に夜間外出制限令も出ていることから、自宅から日帰りで出かけられる場所として偶然この事件の起きるちょうど数日前の昼にニースを訪問しており、まさにこの襲撃のあった教会から数十メートル離れた所に駐車をしてこのノートルダム教会の前を家族で歩いていました。

この教会は旧市街のある海沿いからニース中央駅へと走る市内で一番の目抜き通りに面しており、おそらく最も人通りの多い中心地といえると思います。実際に筆者が訪れた数日前は、本当に夜間外出制限なのか?と疑うくらいの多くの人で混雑していました。

さて、ニースは2016年にもトラックテロが発生していることは記憶に新しいと思いますが、今回もまた「イスラム過激派」のテロと言われています。フランスにおける「イスラム過激派」との戦いについての考察は、パリ同時多発テロ、シャルリー・エブド襲撃事件、昨今の教師殺害事件などとの関連など多くの専門家の方がコメントを出しているのでそちらに譲りたいと思いますが、私は別の視点で「なぜニースが狙われるのか?」について考えてみました。

おそらく以下のような点が挙げられるのではないでしょうか。

◆国際都市である

⇒事件が国際的に目立つことはテロリズム効果として重要

◆観光都市である

⇒よそ者・部外者の出入りにうるさくない/監視の目がゆるい

◆在住人口に占める移民の割合が多い(首都に続いて)

⇒イスラム過激派の予備軍となりやすい土壌がある

◆地理的にイタリアに近い

⇒中東からの難民の欧州へ渡るルートとして常々イタリア上陸ルートが言われてきた

個人的には上記条件に商都マルセイユも当てはまると思うのですが、おそらくよりイタリアに近いことと、より観光都市であること、警戒態勢がマルセイユよりもゆるい(少なくともそのように感じます)ことなどから、ニースがターゲットにされるケースが多いのではないかと考えます。

日本でもフランスが少子化対策先進国として取り上げられ、そのひとつの要因には積極的な移民政策が挙げられていますが、その進め方が他方でフランス社会の中における「分断」を生み出している側面もあると言えます。このあたりはまた改めて考察したいと思います。

 

Profile

著者プロフィール
大前敬祥

「地上に太陽を創る」人類史上最大の国際プロジェクトITER計画の最高戦略責任者 | 世界7極(日欧米露中韓印)で国際機関―ITER機構を南仏プロヴァンスに設立、人類のエネルギー問題解決の為「核融合炉」を建設中←米系戦略コンサルティング←日系情報通信(インド&中国駐在)| 専門領域はグローバル×テクノロジー×経営戦略 | 香港科技大学(HKUST)ビジネススクール卒 | @takaomae

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