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パリのカフェのテラスから〜 フランスって、ホントはこんなところです

RIKAママ|フランス

爆弾に点火したフランスの年末年始

このレイブパーティーは、第1波の感染拡大の二の舞になる

海外からも含めて、フランス国内の様々な場所から集まったというこの2,500人のレイブパーティーでは、少なくとも662人が逮捕、407人が勾留されています。しかし、大半の若者は、解散させられて、自分の住む地域に戻り、何食わぬ顔をして、いつもの日常生活に戻っていくのです。現段階でもすでに1日の感染者数が2万人を超える状況で、ましてや、気温の低下で、このウィルスが最も活発になっている中、しかもイギリスで発見されたというコロナウィルスの変異種に世界中が警戒して国境閉鎖などの対策を取っている現状の中、このパーティーがクラスターとなったのは、確実です。

そもそも、このウィルスは、中国から広がったものではありますが、フランスで全国的に感染が拡大した大きな感染源の一つとなったのは、グランエスト(フランス北東部の地方)ミュールーズにある教会での、昨年の2月中旬に、全国から大勢の信者の集まる集会であったことがわかっています。当時は、まだ、コロナウィルスの感染が広まり始めていたことも知らずに、全国から集まった大勢の信者は、その集会で感染したことを知らずに集会終了後には、また全国へと散って行ったのです。

昨年の一年間で、フランスでのコロナウィルスによる死亡者は、64,632人でした。驚異的な数字です。そして、現在もその数は、毎日300人前後増え続けています。2020年は、まさに誰もが認める恐ろしい一年でした。ミュールーズの教会での感染拡大は、まだコロナウィルスの感染がフランスでは、ほとんど問題になっていなかった時の出来事なので、それを責めることはできませんが、現在の状況は、昨年に起こった悲惨な状況から、ある程度、どのようにして感染が広まることはわかっているのです。日本語でも年末には、よく「年忘れ・・」などという表現がありますが、まさに忘れたいことの沢山あった年でした。しかし、現段階では、まだ忘れてはいけない状況なのです。「若者にはリスクは少ない、感染しても発症しない確率が高い」というのは、神話のようでもあり、現実でもあるかもしれませんが、決して、感染しない、人に感染させないわけではありません。このような身勝手な行動を起こす若者が後を経たないのもフランスの現実です。

まさに予想していたシナリオどおり

コロナウィルスの感染が深刻化し始めたのが昨年の3月。3月半ばから約2ヶ月間、フランスは、ロックダウンになりました。5月11日にロックダウン解除になり、フランス人は、恐る恐る普段の日常に近い生活に戻って行きました。気温の上昇の助けもあり、感染は徐々に減少して行きましたが、ウィルスが完全に失くなったわけではありませんでした。それでも夏のバカンスにGOサインが出ると、さすがに海外旅行をする人は減りましたが、多くの人がいつも通りにバカンスに出かけて行きました。バカンスの終わりは、気温の下がり始める時期と重なり、国内を大移動し、多くの人がバカンスから持ち帰ったウィルスが活発化し、9月には、再び感染が拡大し始めました。そして10月には、第2波のピークを迎え、再びロックダウンとなりました。

フランス人が何よりも大切にしているバカンスで感染が再拡大し、そして、バカンスの次に大切にしているノエルで再び第3波を迎えようとしています。これまでのフランスのコロナウィルス対応を見ていると、バカンスやノエルなどの国民の民意を優先し(経済優先ともいう)、対応は後手後手に回ってきました。今回の年越しの対応などその最たるものです。国民の動静を見ていれば、充分に予測可能な危険な状況を直前の数字でのみ判断して、対策を取らずに迎えたことは、第3波の感染爆発に火をつけたようなものです。1回目のロックダウン解除以来の感染状況は、ほとんど私が予想していたとおりになってしまっています。

ワクチンの接種も開始されましたが、一般大衆に行き渡るのは、早くても4月以降です。それまでは、フランスは、再び厳しい冬を過ごさなければなりません。この2,500人のレイブパーティーを始めとして、多くの人が国内大移動をしたノエルから年末年始にかけての感染の結果が出るのは、1月半ばからです。コロナウィルス感染は、一度、大きな波に乗ってひしまえば、それは、しばらく、どうにも止めることはできません。

昨年の3月に見てきた病院から人が溢れ、野戦病院のようなテントが張られ、収容しきれない病人がTGVや軍用飛行機で運ばれ、埋葬に間に合わない死体が溢れ、ランジス市場(パリ近郊にある築地のような市場)の一部が死体安置所に使われるような危機的状況が再び起こってしまうのではないかと年明けそうそうに早くも不安にかられているのです。

フランス社会の縮図

この度重なるフランスの感染拡大の様子を見ていると、フランス社会の縮図のような気もしてきます。フランスはれっきとした格差社会で、一部のエリートは、自分たちだけで国を動かしているようなことを言う人もいて、なかなか鼻持ちならない感じではありますが、最近は、その通りなのかもしれないとも思い始めました。デモやストライキで四六時中騒ぎ、その上、しょっちゅうバカンスだ何だと休みばかり、一体、どうやってフランスの経済は回っているのかと思うことも少なくありません。しかし、実際にはフランスは、世界の経済大国の一つであり、フランスの産業の技術は高水準のものです。

世界の航空機の大半が使用するエアバスもフランスのものですし、日本の新幹線と肩を並べる水準のTGVもヨーロッパの国の多くの鉄道が使用しています。しかし、例えば、フランスのTGVの運行を見ていると、フランスの誇る高速で走ることができるはずのTGVは、運行に際しての遅延が多く、高速を実感することよりもその遅延を実感することの方が多いのが現状です。つまり、TGVの性能に見合った運行ができていないのです。その製品の開発のレベルとそれを実際に運行することに携わる労働力のレベルが追いつかずに足を引っ張っている状態なのです。

今回のコロナウィルス感染の度重なる感染拡大も、多くの人が感染回避の注意を払っているにも関わらず、一部の現状を理解できない、想像力の欠如した低次元の人がこうして足を引っ張るために、再び感染爆発の時を迎えようとしていることに、フランス社会の縮図を見るような気もしているのです。

 

Profile

著者プロフィール
RIKAママ

フランスって、どうしようもない・・と、日々感じながら、どこかに魅力も感じつつ生活している日本人女性。日本で約10年、フランスで17年勤務の後、現在フリー。フランス人とのハーフの娘(1人)を持つママ。東京都出身。

ブログ:「海外で暮らしてみれば・・」

Twitter:@OoieR



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