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ヴィズマーラ恵子|イタリア

イタリアの大麻合法化事情

iStock- jirkaejc


| 嗜好用大麻を含めた合法化が進むイタリアの大麻事情

イタリアはフィレンツェの軍事製薬工場医療用大麻が栽培されており、2020年には年間150キロから300キロに生産能力を増強している。その後、薬局や病院で販売される。 2006年に医療用大麻を合法化されており、医師の処方箋があれば薬局で大麻を合法的に購入することができる。
しかし、高額で入手が困難な為、多くの人が闇市場にはしったり、自宅のベランダ等で自家栽培をし始めるのである。実際、自宅で大麻を栽培していると刑事告発された男性は、最高裁判所で自宅で少量の雑草を栽培することは合法であるとの判決が昨年12月19日に下され無罪になった。

どこからどこまでが違法なのか、何が麻薬で何が合法麻薬なのか、完全に理解するのは複雑な問題であることに加えて、イタリアの法律、「大麻法」は政治領域においても非常に分裂的な問題となっていて、大麻法案は下院で4、5年に渡りずっと議論されてきた。
一般市民と消費者が安全に、そしてより重要なことは法的にはまだ確立されていないという事実が残っている。
イタリアの大麻に関する法律と裁定は不明のままだ。

元々は、2015年7月16日に提出された法案で、まずはお試し法案のプロローグとして"ソフトドラッグの合法化"を提案したのが始まりだ。
商工会議所の司法委員会での議論の後、商工会議所まで合法化法案は上ってきたが、2016年10月に商工会議所の委員会により却下。さらに下院でも却下。大麻法案は通らず流れた。

大麻(マリファナ)の栽培と販売については、90年代にさかのぼる法律の下ではイタリアでは常に違法であった。
それ以来、一貫性のない司法決定が法律に関する混乱を引き起こしてきた。

イタリアの大麻合法化は、最終的に犯罪組織によって不法に作成された大麻市場の独占を破壊するという目的でもある。
違法麻薬の密輸。大麻の販売利益の7割がマフィアなどの犯罪組織の主要な資金源になっているので、合法化する事によって広く一般的に大麻が流通することで、マフィアを通さなくても一般市民が購入しやすくなるため、マフィアなど地下組織に資金が回らなくなる。マフィアの資金源を断つという作戦だ。

大麻合法化を推進しているマッテオ・マンテーロ上院議員は、「イタリアは、カリフォルニア、カナダ、スペイン、オランダ、および他の州など、ほぼ全域で大麻を合法化した国の例をとるべきだ」と述べた。合法化後、これらの国々の経済に関しては結果は自明だ。

大麻を生産しこれらのソフトドラッグの法的な貿易への道を与えることによって、大麻のユーザー数は増えないが、州の財源は増え、闇市場の財源は減っているというのが現実である。

全国反マフィア総局も、「大麻を合法化することは私たちの国に利益をもたらすと確信している。」と言った。

| 新しい法案「Legal Cannabis大麻ライト」

2016年12月2日に、マリファナの生産、マーケティング、および消費の法的制限を定める有効な法律が制定された。
242/2016法の2条と3条で、「この法律は生産者と加工会社を対象としており、次のステップについては規制する必要がないという理由だけで言及していない」こともあり、それが指摘され始めた。
その為、
それに代わる新しい法案「Legal Cannabis(大麻ライト)」が2019年7月25日に議会に提出されたのだ。
提出された文書には、大麻とその派生物の栽培、加工、販売の合法化に関する規定が含まれている。

しかし、提案が発表されたとき、昨年1月、レーガ(右派ポピュリズムの北部同盟)とM5(伊与党五つ星運動)の間で論争が繰り広げられ激しく衝突した。
前回の議会では、この問題に関する超党派の法案が代議院(下院)で承認されたが、その後元老院(上院)で阻止されたのだ。

現在、施行され法242によりイタリアでは軽い大麻が合法化

Profile

著者プロフィール
ヴィズマーラ恵子

イタリア・ミラノ郊外在住。イタリア抹茶ストアと日本茶舗を経営・代表取締役社長。和⇄伊語逐次通訳・翻訳・コーディネータガイド。福岡県出身。中学校美術科教師を経て2000年に渡伊。フィレンツェ留学後ミラノに移住。イタリアの最新ニュースを斜め読みし、在住邦人の目線で現地から生の声を綴る。
Twitter:@vismoglie

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