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最新ポートランド• オレゴン通信──現地が語るSDGsと多様性

山本彌生|アメリカ

ポートランドは、「米国で一番住みたい町」...だった?

SDGsと多様性。日本とアメリカ、ポートランドの違い?

好奇心というレーザー光線の道具を持って、多種多様な分野の人との信頼関係を築き続けて行く日々。すると、表立っては見えないけれども、その分野で大小問わず実を結んでいる人たちの ある共通点 を見つけたのです。

それは、自分の地位や収入とは関係なく、自分の出来る範囲で社会の環境、貧困、教育、ウエルネス、多様性を地味に意識して生活をしているという点でした。

ざっくりとした表現になりますが、このカタゴリーが現在言われている所の...

アメリカの「サステナビリティ(持続可能)」&「ダイバーシティー(多様性)&インクルージョン(包摂性)」

日本の「SDGs("持続可能多様性包摂性のある社会"の実現のための開発目標(ゴール)

〚ここから先、少しだけ小難し表現になってしまい恐縮です。でもこの部分は、外せないので少しだけ説明をさせてください。次回以降は、もっと心やすく綴っていきますね。〛

この表現、それぞれアメリカと日本では、表現としてもニュアンス的にもちょっと違いがあるのです。

このアメリカのサステナビリティ&多様性。各50州それぞれの州がまるで一つの国のように、独自の法律や文化、人種の違いがいる。それがアメリカ"合衆国"。

そんな歴史的・文化的背景から、サステナビリティ(健全な環境、社会、生活を維持して持続していくこと)が非常に重要だと。そしてその流れの中で、多様性(多様なバックグラウンドを持つ人たちが、公正に社会や生活に関わっていくこと)もとても大切だと。こんな感じで、2つは分けられて表現がされています。 もちろん、国連が提唱してる17項目の目標に沿う場合には、SDGsという単語が使われています。

そして日本でいうSDGs。まず国連案から「日本のSDGsモデル」が作られ、そこから8つの取り組みの柱が掲げられたました。それを基に、多くの企業や行政の取り組みが今なされています。中には枠組みや言葉だけが、独り歩きをしているものも。また、日本年金機構と企業の関連からのSDGs促進というのも独特なシステムとなっています。

では多様性は? 完全な優先順位とはいかなくても、米国ではやはり人種(出身地域)、性別(女性)、年齢、障がい者、そしてLGBTQ。そして今の日本では必然的に、なんといっても女性活躍推進、キャリアと子育ての両立が優先しています。

それよりなにより、西海岸の中でも多様性への対応が断然遅れているのが、実はオレゴン州なんです。やっと、2015年頃にポートランドが一行政として本格的に取り組みを始めた所。

アメリカって、SDGsと多様性先進国じゃないの?って。ポートランドにおいての開始時点日本とほぼ同時期なんです!

|つまるところ、わたしのSDGsと多様性って?

ちょっとこの小難しい内容を読んだ後だけに、何だかやっぱり枠が大きそうだしって感じちゃいますよね。

そうでなくても、今は新しい複雑な環境と社会があって、目まぐるしく変転することがらに心がとらわれがち。

でも、本来SDGsや多様性って、ポートランドに人のように地味に「気負わずに、自分の暮らしの中で意識をする」ことが始めの一歩なんじゃないかって。17項目とか、掲げられた目標とかよりも先に、まずあなたの日々の小さな営みから、少しずつ幸せを感じることが大切なことではないでしょうか。

そして、このちょっと背伸びしたあなたの意識が、「数年後の自分への投資」になるのだという気がします。

新しい生活様式が求められている今だからこそ、目線の小さなヒントとして。

多くの失敗もしてきたポートランドの人って、どんなことを日々意識しているの? どんな事から、うれしいって感じるの?

その基盤にあるポートランドの町の"今"って? 新しい取り組みやその方法って? 

SDGsと多様性という表現に統一して、毎月、第2・第4週火曜日。多種多様な分野のちょっと趣のあるポートランドの人からこの町を深堀りする連載です。

固い職種の人には柔らかく語ってもらい、わけのわからないカタカナ横文字は少なく、そして新しい英語表現も説明付きで、あなたにお届けします。

加えて回の末尾には、各回登場したゲストが影響を受けたもの・コトを特別に教えてくれるコーナーも。その人の心をすこし垣間見ると、本編の内容もすこし違う目線で読めるかもしれません。

また、各ゲストの名前後ろにある「人称代名詞」。多様性が謳われる今、女性の身体として生まれても「he/him」と、ジェンダーフリー*として「they/them」と。わたしを呼ぶときにはこれを使ってという表示が、今広がりをみせています。自分の心を尊重し、相手も尊重するという流れです。 〚*従来の固定的な性別や役割分担にはとらわれず、という意味合い。〛

ゲスト予定:ブランドデザイナー|ポートランドメーカー・起業家|多様性ビジネス協会会長|州知事室 多様性部 部長| スペシャリティー コーヒー協会|SDGs大学教授|州経済局 新局長|スポーツデザイン学校 校長|WELL/LEEDエコ オフィス設計者|オーガニックレストラン店主|市持続可能オフィス局 | 州大学リサーチシェフ |エコエネルギー会社代表|耐震橋建築デザイナー|等多数

2017-04-26 16.20.37 (2).jpg ACE LOBBY©2021PDX COORDINATOR, LLC  

次回のゲストは、デザイナー兼クリエイティブ・ディレクターのライアンさん。町の文化と音楽を象徴するホテルとして、新しいホテルを次々と発表。隈源吾氏とのコラボによるアジア発の「京都ACE」によって、更なる注目を集めています。ライアンと私は、その京都ACEのプランニングで長年協働してきました。そんな彼の進行中のプロジェクトとは。彼の日々のSDGs、そこから見えるポートランドの今を探ります。2月23日掲載

『本、コト、ときおりコンフォートフード』 

その人の生活スタイルと影響を受けた大切なもの、思うことへのヒント。

山本彌生|she/her|企画プロジェクト会社経営者/日米児童教育・養護施設ボランティア団体代表

プレイスブランディング 場所をつくる仕事(有斐閣) ポートランドのまち作りと日本のプレイスブランディングについての初の協働作。日米にいる Like-minded Peopleとのビジネスを超えた信頼関係によって、今のわたしがあると確信した記念の書籍です。活版印刷のカバーでポートランドを表現。デザインはカンヌデザイン賞金賞の方によるもの。

ボランティア 日米両国の養護施設で生活をする児童に、勉強と社会のしくみを教え、退寮後の生活支援をするボランティアを30年間行っています。先進国であるはずの日米で、貧困、虐待、出身差別等の想像をはるかに超えた環境と生い立ち。そんな彼らから、私は沢山のことを教わっています。

 

Profile

著者プロフィール
山本彌生

企画プロジェクト&視察コーディネーション会社PDX COORDINATOR代表。東京都出身。米国留学後、外資系証券会社等を経てNYと東京にNPOを設立。2002年に当社起業。メディア・ビジネス・行政・学術・通訳の5分野を循環させる「独自のビジネスモデル」を構築。ビジネスを超えた "持続可能な" 関係作りに重きを置いている。日系メディア上のポートランド撮影は当社制作が多く、また業務提携先は多岐にわたる。

Facebook:Yayoi O. Yamamoto

Instagram:PDX_Coordinator

協働著作『プレイス・ブランディング』(有斐閣)

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