コラム

「叩かれやすい」若い女性起業家が実践する「嫌な感情の手放し方」はこんなにシンプル

2023年06月19日(月)18時45分

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「お金のまなびば!」より

起業の相談に「やめたほうがいい」と藤野氏が返す理由

ハヤカワ氏は現在27歳。25歳を過ぎた頃から一人の社会人として認められ始め、過度な批判は影を潜めたと感じている。

「ここから先は自分の成果次第で評価していただいて構わない。ダメだったら『すみません~』と謝れば済む話。一発アウトで退場な社会でもないと思うので、寛容なうちは打席に立って打ちたい」

何度も失敗を経験し、多くの人に迷惑をかけてきたと語るハヤカワ氏。そのたびに自分自身に問われるのは「誠実であれるかどうか」。失敗したときこそ誠実であれ、と自分を戒めてきたからこそ、いろいろな人に寛容に対応してもらったと振り返る。

これに対し、藤野氏は「挑戦しない人ほど、世の中は不寛容だと思っている。起業に関する相談をよく受けるが、『やめたほうがいい』と返すことにしている。それでもやった人を応援する。他人に言われて挫ける人に起業は向いていないから」と語る。

そして、「他人に言われて諦める人」と「眠れない人」はイコールとの見解を示した。

最後にハヤカワ氏は、起業を目指す若者に向けて次のようなメッセージを送る。

「私は起業肯定派ではない。学びも多いが大変なこともたくさんあるので、『腹決まり』していない状態だとしんどいと思う。起業以外の選択肢があるなかで、本当に起業が最短ルートであれば、その気持ちをいろいろな人に話せばきっと助けてくれるはず。『まずはやってみよう』という気持ちが率先しているくらいでちょうどいいと思う」

考えても仕方のないことはとりあえず脇に置き、小さなチャレンジを続け、ミスをしたときこそ誠実に――。簡単そうに見えて忘れがちだが、すべての社会人に共通する心構えかもしれない。

構成・酒井理恵

●YouTubeチャンネル「お金のまなびば!」

プロフィール

藤野英人

レオス・キャピタルワークス 代表取締役会長兼社長、CIO(最高投資責任者)
1966年富山県生まれ。国内・外資大手資産運用会社でファンドマネージャーを歴任後、2003年にレオス・キャピタルワークスを創業。日本の成長企業に投資する株式投資信託「ひふみ投信」シリーズを運用。投資啓発活動にも注力しており、東京理科大学MOT上席特任教授、早稲田大学政治経済学部非常勤講師、日本取引所グループ(JPX)アカデミーフェロー、一般社団法人投資信託協会理事を務める。主な著書に『投資家みたいに生きろ』(ダイヤモンド社)、『投資家が「お金」よりも大切にしていること』(星海社新書)、『さらば、GG資本主義――投資家が日本の未来を信じている理由』(光文社新書)など。

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