コラム

「日本企業への妨害」と「日本切り捨て」のリスク...トランプ復活で、日本は最大の標的に?

2024年03月07日(木)09時38分

であるならば、逃げることなく、むしろ過激化するであろう2期目のトランプが繰り出すリスクを、日本の変化へのチャンスとすべきだ。

安全保障に関しては整然と自主防衛に進むこととなろう。だが、それが軍国主義復活という印象を与えては仮想敵を利するだけ。平和を志向する民主国家という「国のかたち」を守り切る国防思想を確立して初めて、自主防衛が成立する。外交面ではトランプ抜きのG6の結束が問われる。

経済の改革も必要だ。多国籍企業の株価や給与が上がっても、国内経済への寄与は限定的。際限なく空洞化を進めるのではなく、国内経済をグローバル市場に最適化する改革を進めるべきだ。トランプの言う経済の自国ファースト論を、むしろ日本の覚醒の機会とすべきだろう。

<本誌2024年3月12日号掲載>

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プロフィール

冷泉彰彦

(れいぜい あきひこ)ニュージャージー州在住。作家・ジャーナリスト。プリンストン日本語学校高等部主任。1959年東京生まれ。東京大学文学部卒業。コロンビア大学大学院修士(日本語教授法)。福武書店(現ベネッセコーポレーション)勤務を経て93年に渡米。

最新刊『自動運転「戦場」ルポ ウーバー、グーグル、日本勢――クルマの近未来』(朝日新書)が7月13日に発売。近著に『アイビーリーグの入り方 アメリカ大学入試の知られざる実態と名門大学の合格基準』(CCCメディアハウス)など。メールマガジンJMM(村上龍編集長)で「FROM911、USAレポート」(www.jmm.co.jp/)を連載中。週刊メルマガ(有料)「冷泉彰彦のプリンストン通信」配信中。

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