最新記事
株の基礎知識

同じ人のYouTubeを見て、同じ種類のレポートばかりを読んでいる個人投資家たち

2023年12月30日(土)16時40分
朋川雅紀 ※かぶまどより転載
YouTube 投資家

Dilok Klaisataporn-shutterstock

<株で儲けられる人は何が違う? 重要なのは多様性と創造性。必要な知識の70%は従来の学習とは異なる思考方法によってもたらされる>

思考の多様性

皆さんは、株式投資に必要な情報をどのように入手していますか?

毎日毎日、同じ新聞を読み、同じウェブサイトを訪れ、同じ人たちのユーチューブを見て、同じ人たちのツイッター(X)をフォローし、同じ種類のレポートをチェックしてないでしょうか?

あるいは、時には新しい投資アイディアや投資手法に思いをめぐらせ、自分とは全く違う立場や考えの人の意見を理解しようと、意識的に深く考えることをしているでしょうか?

投資に限らず、先駆的なアイディアを生み出す人物は、考えに多様性を取り入れることによって利益を得ているものです。

多様性のメリット

多様性がどのようにしてより良い答えに結び付くか、を考えてみたいと思います。

何人かに集まってもらって、別々に問題解決を試みてもらうと、一般的に、彼らの回答はバラバラになります。しかし、それらを集めてみると、多様な経験、多様な選好、多様なアイディアなどが反映されるものです。

彼らを一つの集合体として捉えてみると、標準的な人間に多くの情報が集積された状態と見なすことができます。こうした情報の多様性のおかげで、集団による解決方法は、平均的な個人が考えつく解決方法に比べてはるかに信頼の高いものになりえます。

(参考記事)2024年の株価はどうなる? 干支の相場格言「辰巳天井」どおり龍は昇っていくか?

多様性を身に付ける方法

多様性を身に付けるにはどのようにしたらいいのでしょうか。

多様性というものは「知性」と言い換えてもいいのではないでしょうか。知性とは、「何か新しい傾向や法則を発見することにつながる推測をすること」と解釈できると思います。これは、問題を解くこと、議論のロジックを把握すること、適切な類似点を見つけ出すことも含みます。

成熟した社会の中では、専門家の意見は大いに重宝がられます。過去の経験則や法則の中から適切な解決方法を提示してくれるからです。しかしながら、社会が複雑になってくると、個人の集合体の方が、個人(たとえその道のプロであっても)よりも上手に問題を解決する場合が多くなります。

では、投資における知性を身に付けるにはどうすればいいでしょうか。

株式市場のような複雑な世界の中で成功するためには、2つの素養が求められると思います。まず第一に、頭の中でシミュレーションを行い、様々な戦略を思いめぐらせ、最適な戦略を選択できるように心がけること。第二に、こうした思考方法と様々なソースからの情報を融合させるようにすること。

多様な考えを追求できるようになるには、日頃の訓練が必要です。創造的思考のプロセスにおいては、それによって頭の中で様々な考えが浮かびますが、最終的には、目の前の目標を達成する上で有益な考えだけが選択されるのです。

【20%オフ】GOHHME 電気毛布 掛け敷き兼用【アマゾン タイムセール】

(※画像をクリックしてアマゾンで詳細を見る)

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

米の武器供給停止は誤ったメッセージ、駐米イスラエル

ビジネス

カナダ金融システム、金利上昇対応と資産価格調整がリ

ワールド

イスラエル首相、強硬姿勢崩さず 休戦交渉不調に終わ

ビジネス

Tモバイルとベライゾン、USセルラーの一部事業買収
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:岸田のホンネ
特集:岸田のホンネ
2024年5月14日号(5/ 8発売)

金正恩会談、台湾有事、円安・インフレの出口......岸田首相がニューズウィーク単独取材で語った「次の日本」

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    「恋人に会いたい」歌姫テイラー・スウィフト...不必要な「プライベートジェット三昧」に非難の嵐

  • 2

    休養学の医学博士が解説「お風呂・温泉の健康術」楽しく疲れをとる方法

  • 3

    日本の10代は「スマホだけ」しか使いこなせない

  • 4

    上半身裸の女性バックダンサーと「がっつりキス」...…

  • 5

    ロシア軍兵舎の不条理大量殺人、士気低下の果ての狂気

  • 6

    「レースのパンツ」が重大な感染症を引き起こす原因に

  • 7

    テイラー・スウィフトの大胆「肌見せ」ドレス写真...…

  • 8

    ヨルダン・ラジワ皇太子妃のマタニティ姿「デニム生地…

  • 9

    ウクライナ防空の切り札「機関銃ドローン」、米追加…

  • 10

    自民党の裏金問題に踏み込めないのも納得...日本が「…

  • 1

    ヨルダン・ラジワ皇太子妃のマタニティ姿「デニム生地ジャンプスーツ」が話題に

  • 2

    ロシア兵がウクライナ「ATACMS」ミサイルの直撃を受ける瞬間の映像...クラスター弾炸裂で「逃げ場なし」の恐怖

  • 3

    屋外に集合したロシア兵たちを「狙い撃ち」...HIMARS攻撃「直撃の瞬間」映像をウクライナ側が公開

  • 4

    常圧で、種結晶を使わず、短時間で作りだせる...韓国…

  • 5

    「恋人に会いたい」歌姫テイラー・スウィフト...不必…

  • 6

    外国人労働者がいないと経済が回らないのだが......…

  • 7

    テイラー・スウィフトの大胆「肌見せ」ドレス写真...…

  • 8

    「自然は残酷だ...」動物園でクマがカモの親子を捕食…

  • 9

    「レースのパンツ」が重大な感染症を引き起こす原因に

  • 10

    翼が生えた「天使」のような形に、トゲだらけの体表.…

  • 1

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 2

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 3

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 4

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 5

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 6

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドロ…

  • 7

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 8

    NASAが月面を横切るUFOのような写真を公開、その正体…

  • 9

    ヨルダン・ラジワ皇太子妃のマタニティ姿「デニム生地…

  • 10

    「世界中の全機が要注意」...ボーイング内部告発者の…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中