伊勢志摩サミット明日開幕、世界経済成長への協調探る
安倍首相は5月初めの欧州歴訪で、財政出動での政策協調を探ったが、財政規律をより重視するドイツや英国の強い支持を得るまでには至らなかった。
今月20、21日に仙台で開催されたG7の財務相・中央銀行総裁会議では、麻生太郎財務相が会見で「経済成長には需要が必要ということでは一致している。需要喚起のためには、財政というのが大きな要素であることははっきりしており、各国も理解している」と表明。金融、財政、構造改革のうち財政政策の重要性について、日本は引き続き各国に理解を求めるとみられる。
一方、ドイツは金融政策、財政政策、構造改革のうち「最も重要なのは構造改革」(ショイブレ財務相)との姿勢で、日本とドイツとの溝が浮き彫りとなっている。サミットでこの溝をどこまで埋められるかが、鍵となりそうだ。
為替安定と通貨安競争回避、認識共有も
為替に関する議論も行われる可能性が高い。仙台でのG7会議の議論を受け、為替レートの安定と、通貨の競争的な切り下げを回避することが重要との認識をあらためて首脳レベルで共有する方向となっている。
その他、世界経済のセッションでは、女性の活躍推進、腐敗対策の取り組み強化に向けた連携・協力についても議論し、行動計画を発表する。
「パナマ文書」を通じて明らかになった課税逃れの問題についても議論され、行動計画に盛り込まれる可能性がある。
テロ対策行動計画を発表、中東難民問題も議論
貿易、テロや難民問題を含む政治・外交についても討議する。政治・外交では、G7として「テロ・暴力的過激主義対策行動計画」を発表する予定。
難民問題で日本政府は20日、中東の難民支援策の一環として、シリア難民のうち留学生として2017年から5年間で最大150人の若者を受け入れることを発表しており、こうした日本の支援策に理解を求めたい考えだ。