最新記事

スマートフォン

アップルがいまiPhone「レッド」を出す3つの理由

2017年3月28日(火)16時15分
松村太郎(ジャーナリスト)※東洋経済オンラインより転載

iPhoneに新たに用意された「赤」モデル

アップルは米国時間3月21日に、iPhone、iPadなどの主要製品に関する発表を行った。この中で注目されるのは、iPhoneに新たに用意された「赤」モデルの存在だ。

エイズ撲滅運動(RED)は10周年の節目

新たにiPhone 7・iPhone 7 Plusに追加されたのは「(PRODUCT)RED Special Edition」。(RED)とは2006年1月にU2のボノらが提唱して始まったエイズ撲滅運動だ。アップルは、これまでも(RED)に参加してきたが、iPhone 7・iPhone 7 PlusのREDバージョンは、その10周年を記念する製品との位置づけもあるという。

アップルは、今回のiPhoneのREDモデルについて、「年間を通じて購入することができる製品に加わった」と述べており、その他のラインアップは、iPod各製品、iPhone 7 Smart Battery Case、iPhone・iPadのケースやApple Watch用バンド、そしてBeatsブランドのBeats Solo 3 Wirelessヘッドフォン、Beats Pill+スピーカーとなっている。

toyokeizai170328-sub1.jpg

Beats Solo 3 Wirelessヘッドフォン

iPhone 7は、言わずと知れた2016年9月に発売されたアップルのフラッグシップスマートフォン。4.7インチ、5.5インチの2つのサイズで展開されており、128GBモデル、256GBモデルには、真っ黒かつ光沢仕上げの「ジェットブラック」が設定された。

今回のREDモデルも、ジェットブラック同様、もっとも価格が低く抑えられている32GBモデルには設定されず、128GB、256GBモデルにのみ用意される。日本における価格は128GBモデルで価格は8万3800円(税別)となっており、3月24日から発売された。

REDモデルは、前述の光沢仕上げのジェットブラックとは異なり、ブラック、ゴールド、ローズゴールド、シルバーなどと同じ酸化被膜処理となっている。しかし、ブラック以外のモデルでアクセントとして残されているアンテナラインは、REDモデルでは赤いラインが採用された。

そのため、光の当たり方によっては、アンテナラインが目立ちにくく、真っ赤なアルミニウムの板というイメージを得ることができる。

toyokeizai170328-sub2.jpg

アンテナ部分も赤い!

これまで、iPhoneを赤い装いで利用するにはケースの助けが必要だった。純正品では、シリコンケースやレザーケース、前述のバッテリーケースが用意されてきたが、REDモデルのiPhoneの登場で、ケースなしでも、赤いコーディネートを楽しめることができるようになった。

(RED)とアップル

アップルは例年12月1日の国際エイズデーに合わせて、10年前から参画している(RED)のキャンペーンを展開してきた。2016年にも行われており、iPhone 7に対応するシリコンやレザーの赤いケースはこのときに追加されている。

(RED)には、米国の様々な企業が参画しており、GAP、コカ・コーラ、スターバックスといった米国の消費者向けの製品を作る企業に加え、セールスフォース・ドット・コムやドイツのSAPといったB2B企業もパートナーに名を連ねている。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

岸田首相、「グローバルサウスと連携」 外遊の成果強

ビジネス

アングル:閑古鳥鳴く香港の商店、観光客減と本土への

ビジネス

アングル:中国減速、高級大手は内製化 岐路に立つイ

ワールド

米、原発燃料で「脱ロシア依存」 国内生産体制整備へ
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:世界が愛した日本アニメ30
特集:世界が愛した日本アニメ30
2024年4月30日/2024年5月 7日号(4/23発売)

『AKIRA』からジブリ、『鬼滅の刃』まで、日本アニメは今や世界でより消費されている

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    外国人労働者がいないと経済が回らないのだが...... 今も厳しい差別、雇用許可制20年目の韓国

  • 2

    ロシア兵がウクライナ「ATACMS」ミサイルの直撃を受ける瞬間の映像...クラスター弾炸裂で「逃げ場なし」の恐怖

  • 3

    こ、この顔は...コートニー・カーダシアンの息子、元カレ「超スター歌手」に激似で「もしや父親は...」と話題に

  • 4

    翼が生えた「天使」のような形に、トゲだらけの体表.…

  • 5

    どの顔が好き? 「パートナーに求める性格」が分かる…

  • 6

    単独取材:岸田首相、本誌に語ったGDP「4位転落」日…

  • 7

    常圧で、種結晶を使わず、短時間で作りだせる...韓国…

  • 8

    ウクライナがモスクワの空港で「放火」工作を実行す…

  • 9

    屋外に集合したロシア兵たちを「狙い撃ち」...HIMARS…

  • 10

    マフィアに狙われたオランダ王女が「スペイン極秘留…

  • 1

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 2

    どの顔が好き? 「パートナーに求める性格」が分かる4択クイズ

  • 3

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドローンを「空対空ミサイルで撃墜」の瞬間映像が拡散

  • 4

    ロシア兵がウクライナ「ATACMS」ミサイルの直撃を受…

  • 5

    「2枚の衛星画像」が伝える、ドローン攻撃を受けたロ…

  • 6

    屋外に集合したロシア兵たちを「狙い撃ち」...HIMARS…

  • 7

    常圧で、種結晶を使わず、短時間で作りだせる...韓国…

  • 8

    AIパイロットvs人間パイロット...F-16戦闘機で行われ…

  • 9

    ロシアの大規模ウクライナ空爆にNATO軍戦闘機が一斉…

  • 10

    メーガン妃の「限定いちごジャム」を贈られた「問題…

  • 1

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 2

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 3

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 4

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 5

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 6

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 7

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドロ…

  • 8

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 9

    NASAが月面を横切るUFOのような写真を公開、その正体…

  • 10

    「世界中の全機が要注意」...ボーイング内部告発者の…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中