最新記事

ロシア疑惑

トランプ娘婿のクシュナー、ロシア大使と非公開で接触

2017年5月29日(月)09時37分

 5月26日、トランプ米大統領の娘婿であるクシュナー大統領上級顧問(写真)が2016年の大統領選挙期間中と選挙後にキスリャク駐米ロシア大使と少なくとも3回非公開で接触したことが、7人の米当局者や政府OBの話で明らかになった。3月撮影。提供写真(2017年 ロイター/DoD/Navy Petty Officer 2nd Class Dominique A. Pineiro/Handout via REUTERS)

トランプ米大統領の娘婿であるクシュナー大統領上級顧問が2016年の大統領選挙期間中と選挙後にキスリャク駐米ロシア大使と少なくとも3回非公開で接触したことが、7人の米当局者や政府OBの話で明らかになった。

このうち2人によると、昨年4月から11月の間にクシュナー氏は大使と2回電話で話した。別の2人の関係筋によると、同氏は今年初めまでには、トランプ陣営とロシアとの共謀の是非を巡る米連邦捜査局(FBI)の捜査の対象となった。

2人の関係筋によると、クシュナー氏はFBIが昨年、フリン前大統領補佐官(国家安全保障問題担当)とロシアとのつながりについて捜査に着手した段階で、捜査員に注目されるようになった。

NBCニュースは25日に、大統領の最側近であるクシュナー氏がFBIの捜査の対象となっていると報じた。

ロイターが入手した新情報は、クシュナー氏が最初にFBIに注目されるようになった時期やその理由を明らかにしており、ホワイトハウスがこれまで認めてきたよりも接触の回数が多かったことが分かる。

FBIは取材に対してコメントを控えた。ロシアの在米大使館は個人的な接触についてはコメントしないとした。

クシュナー氏の弁護士ジェイミー・ゴーリック氏は、クシュナー氏は「その期間に数多くの電話をしたため、記事に書かれている電話については記憶していない」と答えた。

ホワイトハウスは3月に、クシュナー氏とフリン氏がニューヨーク・マンハッタンのトランプタワーで12月に「連絡手段」を確立するためにキスリャク氏と面会したと明らかにしている。

6人の関係筋によると、11月8日の大統領選以前には、キスリャク氏とクシュナー、フリン両氏は主にテロとの戦いや2国間関係の改善について話し合った。関係筋2人は、選挙後は、トランプ氏とロシアのプーチン大統領との間に、外交官や情報機関が関与しない秘密の通信回線を設置する案についても協議したと明かした。

 1人の米法執行当局者によると、FBIの捜査官らはロシア側がクシュナー氏などトランプ氏の側近らに対し、対ロシア経済制裁の緩和によってロシアの銀行がトランプ氏と関係のある人々に融資できるようになると示唆したかどうかについて調査している。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

神田財務官、介入有無コメントせず 過度な変動「看過

ワールド

タイ内閣改造、財務相に前証取会長 外相は辞任

ワールド

中国主席、仏・セルビア・ハンガリー訪問へ 5年ぶり

ビジネス

米エリオット、住友商事に数百億円規模の出資=BBG
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:世界が愛した日本アニメ30
特集:世界が愛した日本アニメ30
2024年4月30日/2024年5月 7日号(4/23発売)

『AKIRA』からジブリ、『鬼滅の刃』まで、日本アニメは今や世界でより消費されている

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドローンを「空対空ミサイルで撃墜」の瞬間映像が拡散

  • 2

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 3

    AIパイロットvs人間パイロット...F-16戦闘機で行われた、史上初の「ドッグファイト」動画を米軍が公開

  • 4

    メーガン妃の「限定いちごジャム」を贈られた「問題…

  • 5

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士…

  • 6

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 7

    医学博士で管理栄養士『100年栄養』の著者が警鐘を鳴…

  • 8

    19世紀イタリア、全世界を巻き込んだ論争『エドガル…

  • 9

    ナワリヌイ暗殺は「プーチンの命令ではなかった」米…

  • 10

    目の前の子の「お尻」に...! 真剣なバレエの練習中…

  • 1

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 2

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 3

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドローンを「空対空ミサイルで撃墜」の瞬間映像が拡散

  • 4

    医学博士で管理栄養士『100年栄養』の著者が警鐘を鳴…

  • 5

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 6

    AIパイロットvs人間パイロット...F-16戦闘機で行われ…

  • 7

    「すごい胸でごめんなさい」容姿と演技を酷評された…

  • 8

    「世界中の全機が要注意」...ボーイング内部告発者の…

  • 9

    日本マンガ、なぜか北米で爆売れ中...背景に「コロナ…

  • 10

    「誹謗中傷のビジネス化」に歯止めをかけた、北村紗…

  • 1

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 2

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 3

    ロシアの迫撃砲RBU6000「スメルチ2」、爆発・炎上の瞬間映像をウクライナ軍が公開...ドネツク州で激戦続く

  • 4

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士…

  • 5

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 6

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 7

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 8

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 9

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 10

    「誰かが嘘をついている」――米メディアは大谷翔平の…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中