コラム

ウクライナ停戦の「仲介者」演じる中国が願う「結末」は...

2023年06月26日(月)14時00分
プーチン、ゼレンスキー、習近平

ILLUSTRATION BY AYAKO OCHI FOR NEWSWEEK JAPAN

<プーチン、ゼレンスキー、習近平の3人が停戦協議のテーブルについたら、きっとこうなるに違いない>

【三者協議】

ウラジーミル・プーチンとウォロディミル・ゼレンスキーが、習近平(シー・チンピン)に招かれて北京で会談した。3人は停戦について協議を始めた。

すると突然、彼らの前に妖精が現れた。妖精は言った。

「停戦について話し合うようね。そんな3人に私からプレゼントをあげましょう。一人一つずつ、何でも望みをかなえてあげます」

まずゼレンスキーが言った。

「ロシア軍の壊滅を願う」

続いてプーチンが言った。

「ウクライナ軍とNATO軍の壊滅を願う」

習は何も言わなかった。妖精が不思議に思って聞いた。

「あなたはどうして何も望みを言わないの?」

習が言った。

「いや、別に。2人の望みがしっかりかなえられれば、それでいい」

◇ ◇ ◇


ロシアによるウクライナ侵攻の幕が、なかなか下りない。幕の下ろし方が分からなくなっている。戦争の終わらせ方ほど難しいものはない。短期戦を想定した戦争が長期化することは、歴史の教えるところである。

そんななかで各国の思惑が激しく飛び交う。とりわけ「キーマン」として存在感を増しているのが中国だ。

国際社会から経済制裁を受けるロシアだが、そんな同国に手を差し伸べているのが、自称「中立」の中国である。いくつもの「抜け穴」を提供していると言ってもいい。

3月には習近平国家主席が訪ロし、プーチン大統領と会談。両者は2国間関係の協力強化について話し合ったとされる。

プロフィール
今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

ロシアとの戦争、2カ月以内に重大局面 ウクライナ司

ビジネス

中国CPI、3月は0.3%上昇 3カ月連続プラスで

ワールド

イスラエル、米兵器使用で国際法違反の疑い 米政権が

ワールド

北朝鮮の金総書記、ロケット砲試射視察 今年から配備
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:岸田のホンネ
特集:岸田のホンネ
2024年5月14日号(5/ 8発売)

金正恩会談、台湾有事、円安・インフレの出口......岸田首相がニューズウィーク単独取材で語った「次の日本」

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    新宿タワマン刺殺、和久井学容疑者に「同情」などできない理由

  • 2

    大阪万博でも「同じ過ち」が繰り返された...「太平洋戦争の敗北」を招いた日本社会の大きな弱点とは?

  • 3

    ウクライナの水上攻撃ドローン「マグラV5」がロシア軍の上陸艇を撃破...夜間攻撃の一部始終

  • 4

    どの顔が好き? 「パートナーに求める性格」が分かる…

  • 5

    「終わりよければ全てよし」...日本の「締めくくりの…

  • 6

    「未来の女王」ベルギー・エリザベート王女がハーバー…

  • 7

    横から見れば裸...英歌手のメットガラ衣装に「カーテ…

  • 8

    「私は妊娠した」ヤリたいだけの男もたくさんいる「…

  • 9

    礼拝中の牧師を真正面から「銃撃」した男を逮捕...そ…

  • 10

    ロシア兵がウクライナ「ATACMS」ミサイルの直撃を受…

  • 1

    ヨルダン・ラジワ皇太子妃のマタニティ姿「デニム生地ジャンプスーツ」が話題に

  • 2

    大阪万博でも「同じ過ち」が繰り返された...「太平洋戦争の敗北」を招いた日本社会の大きな弱点とは?

  • 3

    新宿タワマン刺殺、和久井学容疑者に「同情」などできない理由

  • 4

    「恋人に会いたい」歌姫テイラー・スウィフト...不必…

  • 5

    ロシア兵がウクライナ「ATACMS」ミサイルの直撃を受…

  • 6

    外国人労働者がいないと経済が回らないのだが......…

  • 7

    ウクライナ防空の切り札「機関銃ドローン」、米追加…

  • 8

    日本の10代は「スマホだけ」しか使いこなせない

  • 9

    休養学の医学博士が解説「お風呂・温泉の健康術」楽…

  • 10

    「レースのパンツ」が重大な感染症を引き起こす原因に

  • 1

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 2

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 3

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 4

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 5

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 6

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドロ…

  • 7

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 8

    ヨルダン・ラジワ皇太子妃のマタニティ姿「デニム生地…

  • 9

    「世界中の全機が要注意」...ボーイング内部告発者の…

  • 10

    どの顔が好き? 「パートナーに求める性格」が分かる…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story