コラム

感染終息が見えてきたニューヨーク、最後の難題は治安悪化

2021年06月16日(水)13時40分

また、地下鉄全線では依然としてホームレスの問題があり、また空いている車両では暴力事件が断続的に起きるなど治安が回復していません。

こうした状況を受けて、2021年11月の投開票を目指して候補指名争いが激しくなっているニューヨーク市長選挙では、市内の治安回復問題が、重要な争点として浮上しています。そのため、当初はBI(ベーシック・インカム)制度を主張して、リードしていたアンドリュー・ヤン候補が失速し、NY市警の出身であるアフリカ系のエリック・アダムス候補が民主党ではトップに躍り出ています。

コロナ禍についてある程度のメドが付きつつある現在、ニューヨークという都市が再生できるかどうかは、この治安問題にかかってきました。デブラシオ市長が、パレードやコンサートといった「派手なイベント」を提案しているのも、マンハッタンに大勢の人を集めることが治安回復になるという計算もあるのだと思います。

プロフィール

冷泉彰彦

(れいぜい あきひこ)ニュージャージー州在住。作家・ジャーナリスト。プリンストン日本語学校高等部主任。1959年東京生まれ。東京大学文学部卒業。コロンビア大学大学院修士(日本語教授法)。福武書店(現ベネッセコーポレーション)勤務を経て93年に渡米。

最新刊『自動運転「戦場」ルポ ウーバー、グーグル、日本勢――クルマの近未来』(朝日新書)が7月13日に発売。近著に『アイビーリーグの入り方 アメリカ大学入試の知られざる実態と名門大学の合格基準』(CCCメディアハウス)など。メールマガジンJMM(村上龍編集長)で「FROM911、USAレポート」(www.jmm.co.jp/)を連載中。週刊メルマガ(有料)「冷泉彰彦のプリンストン通信」配信中。

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