最新記事

キャリアアップ特集

会社での前途を分ける、「影響力のある人」の見極め方

2017年5月22日(月)15時00分
ニューズウィーク日本版ウェブ編集部

mediaphotos-iStock.

<組織内で本当に影響力を持っているのは誰か? それを見極めなければ、自分が影響力を身につけて成功することはできない。どうすれば「影響力のある人とつき合う」ことができるのか?>(2016年12月12日にアップした記事の再掲載です)

米タイム誌の「世界で最も影響力がある100人」にはそうそうたる顔ぶれが並んでいる。だが、そもそも影響力とは何だろうか。「他に働きかけ、考えや動きを変えさせるような力」(デジタル大辞泉より)――確かにそうなのだが、実感しづらく、縁遠いものに感じる人もいるかもしれない。

しかし、影響力は何も、有名人や政治家だけが持っているものではない。実際、ビジネスコンサルタントのスティーブン・ピアスによれば、仕事でふさわしい給与をもらえるかどうか、会議での発言がまともに取り上げられるかどうかも、すべて影響力次第なのだ。

ピアスは世界各地の有力者に取材し、新刊『ここぞというとき人を動かす自分を手に入れる 影響力の秘密50』(服部真琴訳、CCCメディアハウス)で、影響力を獲得する50のノウハウを提供している。

ここでは本書から「39 影響力のある人とつき合う」を抜粋して掲載する。どうしたら、おべっかや汚い手段に頼ることなく影響力のある人々と知り合えるか。そして、間違った人を支持して前途を断たれるような事態を防ぐにはどうすればいいのだろうか。


『ここぞというとき人を動かす自分を手に入れる
 影響力の秘密50』
 スティーブン・ピアス 著
 服部真琴 訳
 CCCメディアハウス

※シリーズ第1回:給料が安いと感じているあなたは、おそらく影響力が足りない
※シリーズ第2回:影響力を身につけるには有名人に「便乗」すればいい
※シリーズ第3回:自分の代わりに自分を宣伝してくれる人を育てよ

◇ ◇ ◇

39 影響力のある人とつき合う

影響力は伝染する。熱源に近づけば、それだけで体が温かくなるように、本当に影響力のある人とかかわれば、その威光のいくらかが自分のものになる。彼らの洞察や経験や人間関係にアクセスできるようになり、「内輪グループ」の一員となったあなたに対する見方も変わる。影響力はある程度まで、誰とつき合うかで決まるのだ。

別の言い方をすれば、権威を持つ立場(高い地位や肩書きや名声)でなければ、あるいはそんな立場の人に話を聞いてもらえる者でなければ、影響力を持つことは困難だ。

どうしたら、おべっかや汚い手段に頼ることなく、影響力のある人々と知り合えるか。最初のステップは、本当の影響力(または潜在的影響力)を持っている人物は誰かを見極めることだ。ビジネスや政治の世界には、極めて有能な人材にもかかわらず、トップになれないボスについたせいで前途を断たれたケースが山ほどある。彼らは間違った相手を支持してしまった。相性がいい人とつき合いたがるのは自然なことだ。だが好感度が高いからといって、影響力が大きいことにはならない。

権威ある立場の人に、提供できるものなどないと思うかもしれない。それは権力が生む孤立状態を過小評価しているから。トップの座に近づくほど、「その他大勢」との結びつきを失うリスクは大きくなる。そこに、あなたの出番がある。影響力がある人とつき合えば多くを手にできるが、その関係は一方通行ではない。あなたも多くを与えられる。

意見を提供する

キャリアの階段を上り詰めた人々がよく口にする不満のひとつが、「自分が置かれた状況を客観的に見ることが難しい」。周りにいるのは、自分の決断と直接の利害関係を持つ人ばかり。誰もが自らの利益を考えてものを言う。そんな状態に客観的な視点をもたらし、その意見が信頼に値することを示せれば、有力者と驚くほど親しくなれる可能性がある。

今、あなたにオススメ

関連ワード

ニュース速報

ワールド

ロシア製造業PMI、4月は54.3 3カ月ぶり低水

ビジネス

午後3時のドルは155円半ば、早朝急落後も介入警戒

ビジネス

日経平均は小幅続落、連休前でポジション調整 底堅さ

ビジネス

丸紅、発行済み株式の2.3%・500億円上限に自社
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:世界が愛した日本アニメ30
特集:世界が愛した日本アニメ30
2024年4月30日/2024年5月 7日号(4/23発売)

『AKIRA』からジブリ、『鬼滅の刃』まで、日本アニメは今や世界でより消費されている

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    「2枚の衛星画像」が伝える、ドローン攻撃を受けたロシア空軍基地の被害規模

  • 2

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 3

    ロシアの大規模ウクライナ空爆にNATO軍戦闘機が一斉起動

  • 4

    どの顔が好き? 「パートナーに求める性格」が分かる…

  • 5

    ポーランド政府の呼び出しをロシア大使が無視、ミサ…

  • 6

    ロシア軍の拠点に、ウクライナ軍FPVドローンが突入..…

  • 7

    米中逆転は遠のいた?──2021年にアメリカの76%に達し…

  • 8

    「500万ドルの最新鋭レーダー」を爆破...劇的瞬間を…

  • 9

    「レースのパンツ」が重大な感染症を引き起こす原因に

  • 10

    常圧で、種結晶を使わず、短時間で作りだせる...韓国…

  • 1

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 2

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 3

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドローンを「空対空ミサイルで撃墜」の瞬間映像が拡散

  • 4

    AIパイロットvs人間パイロット...F-16戦闘機で行われ…

  • 5

    どの顔が好き? 「パートナーに求める性格」が分かる…

  • 6

    日本マンガ、なぜか北米で爆売れ中...背景に「コロナ…

  • 7

    「すごい胸でごめんなさい」容姿と演技を酷評された…

  • 8

    「2枚の衛星画像」が伝える、ドローン攻撃を受けたロ…

  • 9

    中国の最新鋭ステルス爆撃機H20は「恐れるに足らず」…

  • 10

    ウクライナ軍ブラッドレー歩兵戦闘車の強力な射撃を…

  • 1

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 2

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 3

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 4

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 5

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 6

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 7

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 8

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 9

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドロ…

  • 10

    NASAが月面を横切るUFOのような写真を公開、その正体…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中