最新記事

キャリア

内向型人間だからこそできる「使える人脈」のつくり方

2020年2月28日(金)16時20分
ニューズウィーク日本版ウェブ編集部

Yuri_Arcurs-iStock.

<働き方が多様化する中、ますます重要なネットワークづくり。にもかかわらず多くの人が苦手意識を持つが、実は内向型のタイプの人こそ向いているのだと、グーグル、ツイッター両社で要職を務めたカレン・ウィッカーは言う。なぜか>

終身雇用制度の存続が危ぶまれる今、自営業者やフリーランスという働き方が増えていくとも言われている。働き方が多様化していく中で、新しい人間関係づくり、幅広い分野の人と出会うためのネットワークづくりは重要度を増していくだろう。

そうは言っても、多くの人にとって、ネットワークづくりは厄介なものだ。特に、ひとりが好きで、ひとりになって充電する時間が必要な「内向型人間」にとって、ネットワークづくりは避けて通りたいのが本音ではないだろうか。

しかし、実は内向型人間こそがネットワークづくりをうまくやれる特性を秘めていると話すのが、『つきあいが苦手な人のためのネットワーク術』(CCCメディアハウス)の著者、カレン・ウィッカー氏である。

グーグル社で要職を務め、ツイッター社でエディトリアル・ディレクターを務めたグローバル・コミュニケーションのエキスパートだ。自身も内向型人間であることを明言しているが、世界には数千人の知人がいるという。

ウィッカー氏は本書で、内向型人間であっても、生涯にわたって育てていくことができる本物のネットワークのつくり方、「使える人脈」の広げ方を提案している。

【参考記事】 1人の時間が必要な内向型、人と会って元気になる外向型

内向型人間が強いつながりの構築に向いている3つの理由

ユングは、「人は外の世界から活力を得るタイプ(外交的)か、自分の内面と向き合うことで活力を得るタイプ(内向的)のいずれかである」と言った。ただ、内向型人間のすべてが内気なわけではなく、充実した社交生活を送り、友人との会話を好む人もいる。ひとりになって充電するための時間を必要とするのが内向型人間というだけだ。

著者は、内向型人間が強いつながりを構築することに向いている理由として、次の特性を挙げる。

●人の話を聞くのがうまい

聞き上手な長所を生かすことにより、先に相手が話し、こちらよりも多くの情報をさらけ出すように仕向ける。これによって、相手が信じられる人物かどうかを判断する時間を確保できる。

●観察能力が鋭い

内向型人間は、人が集まる場を支配していないので、相手が素の自分を出しやすい。受け入れられるという安心感があるのだろう。このとき、相手が見せる印象的な特徴を覚えておいて、アプローチする。人とのつながりをつくるためには有利なスキルだ。

●好奇心が旺盛

部外者の目線で周囲を見ることができるのも内向型人間の特性だ。部外者の目線で見ると、他人が人生の達人に思えてくる。自分にはできないやり方で人とつながっているように見えるからだ。実際、内向型人間は、他人がどう(うまく)やっているのか知りたくてたまらないのだ。好奇心をもって、鋭い観察眼で見聞きしたことは、うまく活かすことができる。

今、あなたにオススメ

関連ワード

ニュース速報

ワールド

岸田首相、「グローバルサウスと連携」 外遊の成果強

ビジネス

アングル:閑古鳥鳴く香港の商店、観光客減と本土への

ビジネス

アングル:中国減速、高級大手は内製化 岐路に立つイ

ワールド

米、原発燃料で「脱ロシア依存」 国内生産体制整備へ
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:世界が愛した日本アニメ30
特集:世界が愛した日本アニメ30
2024年4月30日/2024年5月 7日号(4/23発売)

『AKIRA』からジブリ、『鬼滅の刃』まで、日本アニメは今や世界でより消費されている

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    ロシア兵がウクライナ「ATACMS」ミサイルの直撃を受ける瞬間の映像...クラスター弾炸裂で「逃げ場なし」の恐怖

  • 2

    屋外に集合したロシア兵たちを「狙い撃ち」...HIMARS攻撃「直撃の瞬間」映像をウクライナ側が公開

  • 3

    ウクライナ軍ブラッドレー歩兵戦闘車の強力な射撃を受け、炎上・爆発するロシア軍T-90M戦車...映像を公開

  • 4

    こ、この顔は...コートニー・カーダシアンの息子、元…

  • 5

    テイラー・スウィフトの大胆「肌見せ」ドレス写真...…

  • 6

    外国人労働者がいないと経済が回らないのだが......…

  • 7

    ロシア軍「Mi8ヘリコプター」にウクライナ軍HIMARSが…

  • 8

    常圧で、種結晶を使わず、短時間で作りだせる...韓国…

  • 9

    サプリ常用は要注意、健康的な睡眠を助ける「就寝前…

  • 10

    ロシア軍の拠点に、ウクライナ軍FPVドローンが突入..…

  • 1

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 2

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドローンを「空対空ミサイルで撃墜」の瞬間映像が拡散

  • 3

    どの顔が好き? 「パートナーに求める性格」が分かる4択クイズ

  • 4

    ロシア兵がウクライナ「ATACMS」ミサイルの直撃を受…

  • 5

    AIパイロットvs人間パイロット...F-16戦闘機で行われ…

  • 6

    「2枚の衛星画像」が伝える、ドローン攻撃を受けたロ…

  • 7

    屋外に集合したロシア兵たちを「狙い撃ち」...HIMARS…

  • 8

    常圧で、種結晶を使わず、短時間で作りだせる...韓国…

  • 9

    ロシアの大規模ウクライナ空爆にNATO軍戦闘機が一斉…

  • 10

    メーガン妃の「限定いちごジャム」を贈られた「問題…

  • 1

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 2

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 3

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 4

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 5

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 6

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 7

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 8

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドロ…

  • 9

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 10

    NASAが月面を横切るUFOのような写真を公開、その正体…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中