最新記事

災害予知

1400年間の統計で地震予想 自宅にひまわり受信機買う男の「気象データ愛」

2020年1月30日(木)20時00分
高橋ホイコ(ライター) *東洋経済オンラインからの転載

得意分野は天気予報よりも災害というウェザーニューズの山口剛央さん。趣味を仕事にした山口さんの熱意とは?(撮影:梅谷秀司)

世界最大の気象情報会社・ウェザーニューズの山口剛央さんは、24時間ネット配信する天気予報で解説員を務めている。得意分野は天気予報よりも災害。熊本地震では1度目の大地震のあとも「また強い揺れが来るかも」と警戒を呼びかけていた。2日後に"本震"が来たことは言うまでもない。この呼びかけは、彼の頭に詰め込まれた膨大な災害データを根拠としている。どうやってその知識を身に付けたのかに迫る。

熊本地震では、2度目の強い地震への警戒を伝え続けた

──山口さんはほかの気象解説員とは少し違って、天気予報よりも地震や火山、災害の解説がお得意だそうですが、災害の解説とはどういうものでしょうか。

2009年頃から大きな地震が起きたときに、出演して解説させていただいています。東日本大震災のときは、30時間ぐらい連続で出演しました。今後どれくらいの期間気をつけるべきかとか、津波を伴うような地震がまた来るのかなど、キャスター役の人がいろいろ聞いてくるので、それに答える形で伝え続けました。

──2016年の熊本地震では、1度目の地震が起きた後も、まだまだ警戒が必要と呼びかけていたそうですね。

あのときは、4月14日に震度7の地震が来て、4月16日にさらに大きな地震が起きました。14日の地震の後もかなり活発に地震が起きていたので、気になっていました。過去にそういう地震の起き方をしていて、さらに大きい地震が来た事例があるんです。

2003年7月の宮城県北部地震や1968年のえびの地震など、あと東日本大震災もそうですね。マグニチュード7.3の地震が3月11日の2日前に起きています。熊本地震はまさにそんな起き方をしていたので、14日の地震では終わらないかもという話をしました。

──地震の予知は不可能なものだと思っていましたが、予想できることもあるんですね。

予知は不可能だと思いますが、わかることもあります。ちょっと気をつけたほうがいいかもしれないという情報は、直感ではなく、過去のデータに裏打ちされて伝えられる世界だと思います。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

米貿易赤字、3月は0.1%減の694億ドル 輸出入

ワールド

ウクライナ戦争すぐに終結の公算小さい=米国家情報長

ワールド

ロシア、北朝鮮に石油精製品を輸出 制裁違反の規模か

ワールド

OPECプラス、減産延長の可能性 正式協議はまだ=
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:世界が愛した日本アニメ30
特集:世界が愛した日本アニメ30
2024年4月30日/2024年5月 7日号(4/23発売)

『AKIRA』からジブリ、『鬼滅の刃』まで、日本アニメは今や世界でより消費されている

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    常圧で、種結晶を使わず、短時間で作りだせる...韓国の研究チームが開発した「第3のダイヤモンド合成法」の意義とは?

  • 2

    「2枚の衛星画像」が伝える、ドローン攻撃を受けたロシア空軍基地の被害規模

  • 3

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 4

    「500万ドルの最新鋭レーダー」を爆破...劇的瞬間を…

  • 5

    ロシアの大規模ウクライナ空爆にNATO軍戦闘機が一斉…

  • 6

    ロシア軍の拠点に、ウクライナ軍FPVドローンが突入..…

  • 7

    「複雑で自由で多様」...日本アニメがこれからも世界…

  • 8

    どの顔が好き? 「パートナーに求める性格」が分かる…

  • 9

    中国のコモディティ爆買い続く、 最終兵器「人民元切…

  • 10

    「みっともない!」 中東を訪問したプーチンとドイツ…

  • 1

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 2

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドローンを「空対空ミサイルで撃墜」の瞬間映像が拡散

  • 3

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 4

    AIパイロットvs人間パイロット...F-16戦闘機で行われ…

  • 5

    どの顔が好き? 「パートナーに求める性格」が分かる…

  • 6

    日本マンガ、なぜか北米で爆売れ中...背景に「コロナ…

  • 7

    「2枚の衛星画像」が伝える、ドローン攻撃を受けたロ…

  • 8

    「すごい胸でごめんなさい」容姿と演技を酷評された…

  • 9

    ウクライナ軍ブラッドレー歩兵戦闘車の強力な射撃を…

  • 10

    ロシアの大規模ウクライナ空爆にNATO軍戦闘機が一斉…

  • 1

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 2

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 3

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 4

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 5

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 6

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 7

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 8

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 9

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドロ…

  • 10

    NASAが月面を横切るUFOのような写真を公開、その正体…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中