最新記事

音楽

熱烈歓迎!音楽ツーリスト様

2016年8月31日(水)15時00分
トゥファエル・アフメド

Mike Segar-REUTERS

<大好きなアーティストを追い掛けて、イギリスにライブを見に行く海外からのツアー客が急増している>(写真はライブパフォーマンス中のエルトン・ジョン)

 近年、定額音楽配信サービスの拡大を受け、CDの売り上げは減少の一途。だが、音楽業界全体が低迷しているわけではなく、コンサートやライブの市場は急成長を遂げている。なかでも絶好調なのがイギリスだ。

 業界団体UKミュージックが6月に発表した報告書によると、昨年1年間にイギリスで開かれたコンサートや音楽フェスティバルのチケット販売枚数は計2770万枚。前年比7%増の37億ポンドのチケット収入があった。

 ロンドンだけでも、延べ840万人がコンサートに行った。このうち300万人以上は音楽ツアー客、つまり大好きなアーティストのコンサートを見るために、地方(または外国)からロンドンに来た人だ。イギリス全体で見ると、音楽ツアー客がもたらしたチケット収入は5億4900万ポンドにも上る。

【参考記事】「ロックもラップもいずれ死ぬ」

「ライブの需要は引き続き高まっている。昨年、外国からの音楽ツアー客は前年より16%増えた。この報告書は、ライブの経済効果を明確に示した」と、UKミュージックのジョー・ディプルCEOは胸を張る。

 昨年はテイラー・スウィフトやフー・ファイターズなど大物アーティストが、世界ツアーの一環でイギリス公演を開催。今年もマライア・キャリーやビヨンセ、ジャスティン・ビーバーなど大物の公演がめじろ押しだ。

 国内アーティストも健闘している。昨年のコンサート収入トップ20には、ワン・ダイレクションやエド・シーラン、エルトン・ジョンなどのイギリス出身アーティストが名を連ねた。

 ただし、ライブ市場が拡大しているのはアルバムの売れ行き低迷を受け、アーティスト側がツアーに力を入れるようになったことも影響していると、デイリー・テレグラフ紙の音楽評論家ニール・マコーミックは言う。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

NY外為市場=ドル小幅高、FRB当局者は利下げに慎

ワールド

米、ウクライナ軍事訓練員派遣の予定ない=軍制服組ト

ビジネス

米国株式市場=ナスダック最高値、エヌビディア決算控

ワールド

ICC、ネタニヤフ氏とハマス幹部の逮捕状請求 米な
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:スマホ・アプリ健康術
特集:スマホ・アプリ健康術
2024年5月28日号(5/21発売)

健康長寿のカギはスマホとスマートウォッチにあり。アプリで食事・運動・体調を管理する方法

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    半裸でハマスに連れ去られた女性は骸骨で発見された──イスラエル人人質

  • 2

    娘が「バイクで連れ去られる」動画を見て、父親は気を失った...家族が語ったハマスによる「拉致」被害

  • 3

    「隣のあの子」が「未来の王妃」へ...キャサリン妃の「ロイヤル大変貌」が話題に

  • 4

    米誌映画担当、今年一番気に入った映画のシーンは『…

  • 5

    EVが売れると自転車が爆発する...EV大国の中国で次々…

  • 6

    中国の文化人・エリート層が「自由と文化」を求め日…

  • 7

    ベトナム「植民地解放」70年を鮮やかな民族衣装で祝…

  • 8

    SNSで動画が大ヒットした「雨の中でバレエを踊るナイ…

  • 9

    「EVは自動車保険入れません」...中国EVいよいよヤバ…

  • 10

    「親ロシア派」フィツォ首相の銃撃犯は「親ロシア派…

  • 1

    EVが売れると自転車が爆発する...EV大国の中国で次々に明らかになる落とし穴

  • 2

    半裸でハマスに連れ去られた女性は骸骨で発見された──イスラエル人人質

  • 3

    立ち上る火柱、転がる犠牲者、ロシアの軍用車両10両を一度に焼き尽くす動画をウクライナ軍が投稿

  • 4

    エジプトのギザ大ピラミッド近郊の地下に「謎めいた…

  • 5

    「EVは自動車保険入れません」...中国EVいよいよヤバ…

  • 6

    原因は「若者の困窮」ではない? 急速に進む韓国少…

  • 7

    「隣のあの子」が「未来の王妃」へ...キャサリン妃の…

  • 8

    北米で素数ゼミが1803年以来の同時大発生、騒音もダ…

  • 9

    SNSで動画が大ヒットした「雨の中でバレエを踊るナイ…

  • 10

    娘が「バイクで連れ去られる」動画を見て、父親は気…

  • 1

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 2

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 3

    EVが売れると自転車が爆発する...EV大国の中国で次々に明らかになる落とし穴

  • 4

    半裸でハマスに連れ去られた女性は骸骨で発見された─…

  • 5

    新宿タワマン刺殺、和久井学容疑者に「同情」などで…

  • 6

    やっと撃墜できたドローンが、仲間の兵士に直撃する…

  • 7

    立ち上る火柱、転がる犠牲者、ロシアの軍用車両10両…

  • 8

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 9

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドロ…

  • 10

    ヨルダン・ラジワ皇太子妃のマタニティ姿「デニム生地…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中