最新記事

米人種差別

トランプが民主党の黒人議員の地元を「ネズミだらけ」「アメリカで最悪」と発言

Trump Critics Post Photos of Poverty, Homelessness in Republican Districts

2019年7月29日(月)18時30分
ベンジャミン・フィアナウ

トランプの「ボルティモア差別」に対抗し、共和党議員の地元写真の投稿が増えている Mo Latno Bill Phelan/Screenshot: Twitter

<発言は人種差別だと反発した人々は、共和党議員の地元の貧困やホームレスの写真を投稿して対抗し始めた>

ドナルド・トランプ米大統領が、民主党の有力黒人議員イライジャ・カミングスの地元を「ネズミだらけ」のひどい地域で誰も住みたがらない、とツイートして物議を醸している。

トランプは6月27日、カミングス議員の地元メリーランド州ボルティモア(市の約半分がカミングスの選挙区)を「ネズミや齧歯類がはびこる吐き気を催す」町だと書いた。カミングスの選挙区は黒人が多い場所で、またも人種差別発言だと問題になっている。

<参考記事>トランプの「国に帰れ」発言に全米が人種差別反対コール

大統領首席補佐官代行のミック・マルベイニーは、もし自分の地元でも犯罪やホームレスの問題がボルティモアと同じくらい深刻だったら、とうに議員を「クビ」になっていただろうと言った。

一方反トランプ派は、トランプや保守派が流した映像は恣意的に選ばれたもので、カミングスの選挙区の全体像を伝えてはいないと反論。さらに共和党の有力議員の地元の貧困や犯罪の「証拠写真」を投稿し始めた。

トランプは27日の発言で、カミングスの選挙区は不法移民があふれるメキシコとの国境地帯より「はるかにひどく、危険だ」とも述べた。「彼の選挙区はアメリカで最悪の(危険地帯だ)と考えられている」

ツイッターでは、こんな声も上がっている。国の統計によれば貧困層の割合が最も少ない10州のうち8州は民主党の州で、貧困層の割合が高い9州のうち8州は共和党の地盤だ――。

<参考記事>アメリカの12.7%は貧困状態 トランプ政権誕生で拡大・深刻化か

保守派のFOXニュースは28日、カミングスが地元の「貧困の文化」に十分な対応をしてこなかったと批判。そもそもトランプがボルティモアの悪口を言い出したきっかけは、同じ27日にFOXニュースが放送した、ボルティモアの貧困問題を扱った番組を観たからだろうと、多くのメディアアナリストは指摘している。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

ユーロ圏成長率、第1四半期は予想上回る伸び 景気後

ビジネス

インタビュー:29日のドル/円急落、為替介入した可

ワールド

ファタハとハマスが北京で会合、中国が仲介 和解への

ビジネス

ECB、インフレ鈍化続けば6月に利下げ開始を=スペ
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:世界が愛した日本アニメ30
特集:世界が愛した日本アニメ30
2024年4月30日/2024年5月 7日号(4/23発売)

『AKIRA』からジブリ、『鬼滅の刃』まで、日本アニメは今や世界でより消費されている

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドローンを「空対空ミサイルで撃墜」の瞬間映像が拡散

  • 2

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 3

    どの顔が好き? 「パートナーに求める性格」が分かる4択クイズ

  • 4

    AIパイロットvs人間パイロット...F-16戦闘機で行われ…

  • 5

    メーガン妃の「限定いちごジャム」を贈られた「問題…

  • 6

    日本マンガ、なぜか北米で爆売れ中...背景に「コロナ…

  • 7

    「瞬時に痛みが走った...」ヨガ中に猛毒ヘビに襲われ…

  • 8

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士…

  • 9

    19世紀イタリア、全世界を巻き込んだ論争『エドガル…

  • 10

    ナワリヌイ暗殺は「プーチンの命令ではなかった」米…

  • 1

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 2

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 3

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドローンを「空対空ミサイルで撃墜」の瞬間映像が拡散

  • 4

    医学博士で管理栄養士『100年栄養』の著者が警鐘を鳴…

  • 5

    AIパイロットvs人間パイロット...F-16戦闘機で行われ…

  • 6

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 7

    「すごい胸でごめんなさい」容姿と演技を酷評された…

  • 8

    日本マンガ、なぜか北米で爆売れ中...背景に「コロナ…

  • 9

    「世界中の全機が要注意」...ボーイング内部告発者の…

  • 10

    どの顔が好き? 「パートナーに求める性格」が分かる…

  • 1

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 2

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 3

    ロシアの迫撃砲RBU6000「スメルチ2」、爆発・炎上の瞬間映像をウクライナ軍が公開...ドネツク州で激戦続く

  • 4

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士…

  • 5

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 6

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 7

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 8

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 9

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 10

    「誰かが嘘をついている」――米メディアは大谷翔平の…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中