最新記事

エンターテインメント

韓国版「聖地巡礼」 動物園からカフェ、人気タレントの自宅まで

2020年4月5日(日)11時01分
ウォリックあずみ(映画配給コーディネイター)

全州動物園の活動を取り上げた韓国教育公社の「極限職業」より  EBSDocumentary (EBS 다큐)/YouTube

<新型コロナの引きこもり生活で観るアニメやドラマ、映画の舞台となった場所を訪れる日を楽しみに......>

新型コロナウイルスの世界的な感染拡大で、多くの都市で外出が制限され、「引きこもり」「巣ごもり」という外出自粛が続いているなか、多くの人びとがドラマや映画などのエンターテインメントで気分転換をしている。

そんな映画やドラマ、アニメーションの中に登場した場所に行ってみたいと思う人も少なくない。今はそういった場所を訪れることは難しいが、新型コロナの感染が終息した後、舞台となったところを訪れたいと考えている人もいるだろう。

そういうロケ地めぐりなどを「聖地巡礼」という。日本でもアニメやドラマの舞台となった場所、ロケ地などが「聖地」となっているが、お隣の国、韓国でも聖地巡礼が盛んに行われている。グローバルに配給されている韓流コンテンツだけに、国内はもちろん海外からやってくる観光客も多いのが特徴だ。

ビビンパなどグルメで有名なあの街も

日本でも有名なビビンパ発祥の地であり、「食」で有名な韓国南西部・全羅北道の全州市だが、最近別の分野で観光客を集め話題となっている。

1978年に開園された全州市内にある全州動物園は、以前は一般的によくある動物園だったが、2015年に園内を各動物たちにとってより自然の生息地に近い環境に整える「エコ動物園」としてリニューアル。それ以降、テレビや映画、ミュージックビデオのロケ地として人気を集めている。

特に今年に入ってから撮影が急増。3月19日に放送されたEBSドキュメンタリー『極限職業(극한직업)』は、様々なエコ動物園としての特徴を紹介しながら、特にトラの檻の改装工事過程を通し、どのようにしてスタッフ達が動物園を運営しているのかを紹介して話題となった。

TVだけでなく、映画界もロケ地として全州動物園に注目を寄せている。韓国映画『傷つけない(해치지 않아)』『Mr.Zoo 消えたVIP(미스터 주:사라진 VIP)』はともに全州動物園が舞台となっていて、偶然にも2作ともに同じ1月に韓国で全国公開されている。

上記以外にも、KBS 『Today全北』や、KBS『今夜キム・ジェドン』、全州放送『現場ストーリー』など様々な番組が撮影地としてこの動物園を選んでいるが、なぜここまで急速に人気を集めることとなったのか?

メディア関係者に一番影響を与えたと言われるのが、K-POPアイドルのBTSが、昨年夏リリースした『Love Yourself』のミュージックビデオで、全州動物園内にあるメリーゴーランドを使ったからだという。まるで短編映画のようなストーリー仕立てになっているこのミュージックビデオで、主人公の一人の幼少時代の回想シーンとして登場しており、その後BTSファンの"ARMY"達が訪れるようになったようだ。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

岸田首相、「グローバルサウスと連携」 外遊の成果強

ビジネス

アングル:閑古鳥鳴く香港の商店、観光客減と本土への

ビジネス

アングル:中国減速、高級大手は内製化 岐路に立つイ

ワールド

米、原発燃料で「脱ロシア依存」 国内生産体制整備へ
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:世界が愛した日本アニメ30
特集:世界が愛した日本アニメ30
2024年4月30日/2024年5月 7日号(4/23発売)

『AKIRA』からジブリ、『鬼滅の刃』まで、日本アニメは今や世界でより消費されている

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    外国人労働者がいないと経済が回らないのだが...... 今も厳しい差別、雇用許可制20年目の韓国

  • 2

    ロシア兵がウクライナ「ATACMS」ミサイルの直撃を受ける瞬間の映像...クラスター弾炸裂で「逃げ場なし」の恐怖

  • 3

    翼が生えた「天使」のような形に、トゲだらけの体表...奇妙な姿の超希少カスザメを発見、100年ぶり研究再開

  • 4

    こ、この顔は...コートニー・カーダシアンの息子、元…

  • 5

    ウクライナがモスクワの空港で「放火」工作を実行す…

  • 6

    どの顔が好き? 「パートナーに求める性格」が分かる…

  • 7

    常圧で、種結晶を使わず、短時間で作りだせる...韓国…

  • 8

    単独取材:岸田首相、本誌に語ったGDP「4位転落」日…

  • 9

    屋外に集合したロシア兵たちを「狙い撃ち」...HIMARS…

  • 10

    テイラー・スウィフトの大胆「肌見せ」ドレス写真...…

  • 1

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 2

    どの顔が好き? 「パートナーに求める性格」が分かる4択クイズ

  • 3

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドローンを「空対空ミサイルで撃墜」の瞬間映像が拡散

  • 4

    ロシア兵がウクライナ「ATACMS」ミサイルの直撃を受…

  • 5

    「2枚の衛星画像」が伝える、ドローン攻撃を受けたロ…

  • 6

    屋外に集合したロシア兵たちを「狙い撃ち」...HIMARS…

  • 7

    常圧で、種結晶を使わず、短時間で作りだせる...韓国…

  • 8

    AIパイロットvs人間パイロット...F-16戦闘機で行われ…

  • 9

    ロシアの大規模ウクライナ空爆にNATO軍戦闘機が一斉…

  • 10

    メーガン妃の「限定いちごジャム」を贈られた「問題…

  • 1

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 2

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 3

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 4

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 5

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 6

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 7

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドロ…

  • 8

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 9

    NASAが月面を横切るUFOのような写真を公開、その正体…

  • 10

    「世界中の全機が要注意」...ボーイング内部告発者の…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中