最新記事

感染症対策

インドネシア、隔離要請に従わない場合は「幽霊屋敷」に収容

2020年4月27日(月)15時30分
松丸さとみ

イスラム教の断食月「ラマダン」が24日、始まっている......REUTERS/Willy Kurniawan

<世界でさまざまな懲罰付きの「外出禁止令」が出ているが、インドネシアの一風変わった対応策が話題になっている......>

外出禁止令、世界の懲罰

新型コロナウイルスの感染拡大を抑えるために、世界のさまざまなところで、懲罰付きの「外出禁止令」が出ている。懲罰は、罰金から禁固刑までさまざまだ。

外出禁止令に抵触したら、世界にはどんな懲罰があるかを伝えた英テレグラフによると、英国の場合、もっとも軽く済めば罰金30ポンド(4000円弱)だが、起訴されて有罪となると、無制限の罰金が科される可能性がある。フランスやシンガポールなど複数の国では、禁固刑もあり得るようだ。

オーストラリアでは、12日間のうちに3度、外出禁止令を違反したとされる30歳の男は、最長6カ月の禁固刑に加え、コロナウイルスで命を落とした人たちの棺の動画を強制的に見させられる可能性があるという。

ケニヤでは、暴力を使わずに外出禁止令に従わせるのが難しい場合、警察は「相応の武力」の使用が許されている。そのため、通勤する人たちに催涙ガスを浴びせるといった過激な方策が取られ、苦情が寄せられる事態となっている。

いわくつき「幽霊屋敷」での隔離

一方で、インドネシアの一風変わった、「自主隔離要請を無視した人」への対応策が話題になっている。インドネシアのスラゲン県では、県外から来た人は2週間、自主隔離するよう求められている。これを無視した場合、「ついている」といういわくつきの家、いわば「リアル・ホーンテッド・マンション」で、2週間にわたり隔離させられることになるのだ。

インドネシアでは、コロナウイルス拡大がもっとも深刻な首都ジャカルタを中心に、都市部で4月10日から部分的な「ロックダウン」が行われている。部分的な、という理由は、外出禁止令ではなく、集会や移動を制限するものだからだ。当初は14日間の予定だったが、現在は5月22日まで延長されている。

とはいえ、このロックダウンは一部の都市のみが対象となっているため、ジャカルタと同じジャワ島に位置するスラゲン県などでは、こうした制限を嫌った人たちが、都市部から流入してくるのが悩みの種になっているという。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

暗号資産の現物ETF、香港で取引開始 アジア初

ワールド

中国が対ロ「地下ルート」貿易決済、制裁逃れで苦肉の

ビジネス

米パラマウント、バキッシュCEO退任 部門トップ3

ワールド

中国4月PMI、製造業・非製造業ともに拡大ペース鈍
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:世界が愛した日本アニメ30
特集:世界が愛した日本アニメ30
2024年4月30日/2024年5月 7日号(4/23発売)

『AKIRA』からジブリ、『鬼滅の刃』まで、日本アニメは今や世界でより消費されている

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドローンを「空対空ミサイルで撃墜」の瞬間映像が拡散

  • 2

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 3

    どの顔が好き? 「パートナーに求める性格」が分かる4択クイズ

  • 4

    AIパイロットvs人間パイロット...F-16戦闘機で行われ…

  • 5

    メーガン妃の「限定いちごジャム」を贈られた「問題…

  • 6

    日本マンガ、なぜか北米で爆売れ中...背景に「コロナ…

  • 7

    「瞬時に痛みが走った...」ヨガ中に猛毒ヘビに襲われ…

  • 8

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士…

  • 9

    19世紀イタリア、全世界を巻き込んだ論争『エドガル…

  • 10

    医学博士で管理栄養士『100年栄養』の著者が警鐘を鳴…

  • 1

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 2

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 3

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドローンを「空対空ミサイルで撃墜」の瞬間映像が拡散

  • 4

    医学博士で管理栄養士『100年栄養』の著者が警鐘を鳴…

  • 5

    AIパイロットvs人間パイロット...F-16戦闘機で行われ…

  • 6

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 7

    「すごい胸でごめんなさい」容姿と演技を酷評された…

  • 8

    日本マンガ、なぜか北米で爆売れ中...背景に「コロナ…

  • 9

    「世界中の全機が要注意」...ボーイング内部告発者の…

  • 10

    「誹謗中傷のビジネス化」に歯止めをかけた、北村紗…

  • 1

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 2

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 3

    ロシアの迫撃砲RBU6000「スメルチ2」、爆発・炎上の瞬間映像をウクライナ軍が公開...ドネツク州で激戦続く

  • 4

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士…

  • 5

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 6

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 7

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 8

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 9

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 10

    「誰かが嘘をついている」――米メディアは大谷翔平の…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中