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人種差別抗議デモ

イギリスに飛び火した抗議デモで葬られる「植民地帝国」の象徴

2020年6月16日(火)17時30分
バシト・マフムード

プランテーション経営者の像を撤去(ロンドン) JOHN SIBLEY-REUTERS

<奴隷商人像が港に投げ込まれるなど、黒人差別への抗議デモがイギリスでも活発化>

アメリカの黒人差別に対する抗議デモはイギリスにも飛び火し、大英帝国の根深い歴史問題を再燃させている。各地でデモが起きたが、南西部の港町ブリストルでは6月7日、17~18世紀にアフリカから北アメリカやカリブ海植民地に奴隷を送り込んだ奴隷貿易商人の銅像が、デモ参加者によって港に投げ込まれた。

ジョンソン英首相はこうした行為を犯罪だと批判。投票行動など民主的なプロセスによる変革を呼び掛けた。一方で、首都ロンドンのカーン市長はまさにその民主的なプロセスに乗り出した。

パキスタン移民の息子であるカーンは、市内の像や記念碑などについて精査を開始したと発表。確実に見直しを求める像として、「奴隷貿易商人や、プランテーション(植民地時代の大規模農園)の経営者」を挙げた。また、市内に有色人種や女性、性的マイノリティーをたたえる像や記念碑が少ないことにも触れ、ロンドン社会の多様性を反映させるよう検討するという。

<本誌2020年6月23日号掲載>

【参考記事】イギリス版「人種差別抗議デモ」への疑問
【参考記事】自殺かリンチか、差別に怒るアメリカで木に吊るされた黒人の遺体発見が相次ぐ

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2020年6月23日号(6月16日発売)は「コロナ時代の個人情報」特集。各国で採用が進む「スマホで接触追跡・感染監視」システムの是非。第2波を防ぐため、プライバシーは諦めるべきなのか。コロナ危機はまだ終わっていない。

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