最新記事

ライフサイエンス

米実業家ビゲロー、「死後の世界」の証拠示す論文に懸賞金

Businessman Offers $1M to Anyone Who Can Answer: Is There Life After Death?

2021年1月25日(月)14時43分
ハレダ・ラーマン

ビゲロー(左)とNASAの宇宙飛行士。自らの宇宙ベンチャーで試作した折り畳み式の宇宙ポッド(2019年9月12日、米ラスベガス) Steve Marcus-REUTERS

<「地球上の人類48億人すべてが直面する最も重要な問題」とは本人の弁。賞金総額は約100万ドル>

アメリカの実業家ロバート・ビゲロー(75)と言えば、ホテルチェーンのオーナーにして宇宙ベンチャー「ビゲロー・エアロスペース」の経営でも知られる人物だ。そんな彼が、「肉体的な死の後も人間の意識が残っている」ことの証拠となる論文のコンテストを行うと言い出した。賞金総額は100万ドル近く。

昨年初めに妻のダイアンに先立たれたビゲローは6月、人間の死後に関する研究を促進する目的で「ビゲロー意識研究協会(BICS)」を設立。今回のコンテストを主催したのもBICSで、死後も人間は存在し続けることを示す、今ある限りで最もしっかりした証拠を集めたいという。

1位となった論文には賞金50万ドルが贈られる。2位と3位の賞金はそれぞれ30万ドルと15万ドルだ。

「興味深い証拠があるにもかかわらず、西側世界において、死後の人間の意識の存続を調べる研究グループや研究に投じられる資金は驚くほど少ない」と、BICSのウェブサイトには書かれている。「この地球上の78億人の人類はすべて、いつかは死ぬ。にもかかわらず、人類が直面しているたぶん最も重要で根本的な問いに関する質の高い研究はほとんど行われていない」

「宇宙人研究」にも資金提供の過去

また、こうも書かれている。「この根本的で時代を超えたテーマに関する世間の関心を高め、研究を促進することを通して社会に奉仕したい」

「われわれが求めているのは『合理的な疑いを差し挟む余地のないほど』きちんとした証拠だ」ともある。そうした証拠があれば人々が宗教や哲学を超えるきっかけとなり、人々の持つ認識や文化も大きな衝撃を受けることになるという。

ちなみにビゲローは宇宙人の存在に関する研究への資金提供でも知られる。彼はUFOや宇宙人に関する情報を扱うニュースサイト「ミステリー・ワイヤー」に対し、身近な人々の死がきっかけで死後の世界に関心を持つようになったと語っている。

「私にとってはとても重要なことだ。死後の世界とは何なのか。(生前に)どう備えておくべきなのか。この世での生き方によって左右されることはあるのか」とビゲローは語っている。

BICSのウェブサイトによれば、コンテストの参加資格は少なくとも5年間、死後の世界について研究していること。研究実績などに関する予備審査を通過した人だけが論文を提出できる。論文の締め切りは8月1日で、専門家らの審査を経て最終結果は11月1日に発表される予定だ。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

中国、豚内臓肉などの輸入で仏と合意 鳥インフル巡る

ワールド

ロシア、対等な条件なら西側と対話 プーチン氏就任式

ビジネス

ディズニー1─3月決算、動画配信が改善 テレビ事業

ワールド

ロシアで米国人2人が拘束、1人は窃盗容疑の米軍兵士
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:岸田のホンネ
特集:岸田のホンネ
2024年5月14日号(5/ 8発売)

金正恩会談、台湾有事、円安・インフレの出口......岸田首相がニューズウィーク単独取材で語った「次の日本」

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    ヨルダン・ラジワ皇太子妃のマタニティ姿「デニム生地ジャンプスーツ」が話題に

  • 2

    「自然は残酷だ...」動物園でクマがカモの親子を捕食...止めようと叫ぶ子どもたち

  • 3

    常圧で、種結晶を使わず、短時間で作りだせる...韓国の研究チームが開発した「第3のダイヤモンド合成法」の意義とは?

  • 4

    「真の脅威」は中国の大きすぎる「その野心」

  • 5

    デモを強制排除した米名門コロンビア大学の無分別...…

  • 6

    いま買うべきは日本株か、アメリカ株か? 4つの「グ…

  • 7

    ロシア兵がウクライナ「ATACMS」ミサイルの直撃を受…

  • 8

    外国人労働者がいないと経済が回らないのだが......…

  • 9

    中国軍機がオーストラリア軍ヘリを妨害 豪国防相「…

  • 10

    翼が生えた「天使」のような形に、トゲだらけの体表.…

  • 1

    ロシア兵がウクライナ「ATACMS」ミサイルの直撃を受ける瞬間の映像...クラスター弾炸裂で「逃げ場なし」の恐怖

  • 2

    常圧で、種結晶を使わず、短時間で作りだせる...韓国の研究チームが開発した「第3のダイヤモンド合成法」の意義とは?

  • 3

    「2枚の衛星画像」が伝える、ドローン攻撃を受けたロシア空軍基地の被害規模

  • 4

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミ…

  • 5

    屋外に集合したロシア兵たちを「狙い撃ち」...HIMARS…

  • 6

    ヨルダン・ラジワ皇太子妃のマタニティ姿「デニム生地…

  • 7

    どの顔が好き? 「パートナーに求める性格」が分かる…

  • 8

    ロシアの大規模ウクライナ空爆にNATO軍戦闘機が一斉…

  • 9

    ロシア軍の拠点に、ウクライナ軍FPVドローンが突入..…

  • 10

    外国人労働者がいないと経済が回らないのだが......…

  • 1

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 2

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 3

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 4

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 5

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 6

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 7

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドロ…

  • 8

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 9

    NASAが月面を横切るUFOのような写真を公開、その正体…

  • 10

    「世界中の全機が要注意」...ボーイング内部告発者の…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中