最新記事

女性問題

プロポーズを断っただけなのに...あまりに理不尽に殺害された若き女性の悲劇

London Woman Strangled, Shot to Death in Pakistan After Turning Down Marriage Proposals

2021年5月7日(金)18時30分
ニコール・ファラート
ズルフィカル殺害事件の現場を捜査する警官

殺人事件の現場となったアパートを捜査する警官 YouTube

<パキスタンを訪れていた若い女性が銃殺された事件の容疑者は、プロポーズを断った彼女を執拗につけ狙っていた>

パキスタン東部パンジャブ州の州都ラホールで、悲惨な殺人事件が起きた。女性1人が銃で殺害され、現地の警察は容疑者の男2人を捜索している。被害者の女性は、容疑者のうちの1人から受けたプロポーズを断わったと報じられている。

ロンドン在住でロースクールの卒業生のマイラ・ズルフィカル(24)は5月3日、家族の結婚式のため滞在していたラホールの賃貸アパートの一室で、血だまりのなかで死んでいるところを発見された。BBCが引用している法的文書によれば、ズルフィカルはある男からプロポーズを受け、それを断ったために、その男を含む2人の男に脅されていたという。

ロンドンでロースクールを卒業したズフィカル


パンジャブ州警察のシドラ・カーン警視は報道陣に対し、検死報告の第一報を引用するかたちで、ズルフィカルは首と腕を撃たれたあとに失血死したと述べた。また、首も絞められていたと警察は考えているという。

4月には拉致され暴行を受けそうに

パンジャブ州警察のサイード・アリはニュースサイト「Dawn」に対して、「われわれは2人の容疑者を捜索しており、追ってさらなる詳細を発表する予定だ」と語った。5月5日時点で逮捕者はいないが、首都イスラマバードとラホールで捜索が続いていると、事件の捜査責任者はBBCに語っている。

アリによれば、警察は監視カメラの映像を調べているほか、遺体のそばで発見されたズルフィカルの携帯電話の解析も進めているという。

BBCによれば、ズルフィカルは殺害される数日前から、自らの命が脅かされていると警察に訴えていたという。4月20日の警察の調書によれば、ズルフィカルはその数日前にある男に銃を突きつけられて拉致され、性的暴行を受けそうになったと訴えていた。

ズルフィカルは逃亡できたものの、男は彼女にこう言ったという。「逃げられると思うな。殺してやる」

ズルフィカルは拉致事件のあと、警察に保護を求めたと報じられている。ラホールにあるズルフィカルの自宅近所に住む人たちによれば、警察はこの地区を訪れ、拉致に使われたとみられる車を捜索していたという。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

米石油・ガス掘削リグ稼働数、22年1月以来の低水準

ワールド

アングル:コロナの次は熱波、比で再びオンライン授業

ワールド

アングル:五輪前に取り締まり強化、人であふれかえる

ビジネス

訂正-米金利先物、9月利下げ確率約78%に上昇 雇
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:世界が愛した日本アニメ30
特集:世界が愛した日本アニメ30
2024年4月30日/2024年5月 7日号(4/23発売)

『AKIRA』からジブリ、『鬼滅の刃』まで、日本アニメは今や世界でより消費されている

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    屋外に集合したロシア兵たちを「狙い撃ち」...HIMARS攻撃「直撃の瞬間」映像をウクライナ側が公開

  • 2

    ロシア兵がウクライナ「ATACMS」ミサイルの直撃を受ける瞬間の映像...クラスター弾炸裂で「逃げ場なし」の恐怖

  • 3

    常圧で、種結晶を使わず、短時間で作りだせる...韓国の研究チームが開発した「第3のダイヤモンド合成法」の意義とは?

  • 4

    サプリ常用は要注意、健康的な睡眠を助ける「就寝前…

  • 5

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミ…

  • 6

    「TSMC創業者」モリス・チャンが、IBM工場の買収を視…

  • 7

    ウクライナ軍ブラッドレー歩兵戦闘車の強力な射撃を…

  • 8

    「500万ドルの最新鋭レーダー」を爆破...劇的瞬間を…

  • 9

    ロシア軍の拠点に、ウクライナ軍FPVドローンが突入..…

  • 10

    元ファーストレディの「知っている人」発言...メーガ…

  • 1

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 2

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドローンを「空対空ミサイルで撃墜」の瞬間映像が拡散

  • 3

    どの顔が好き? 「パートナーに求める性格」が分かる4択クイズ

  • 4

    AIパイロットvs人間パイロット...F-16戦闘機で行われ…

  • 5

    日本マンガ、なぜか北米で爆売れ中...背景に「コロナ…

  • 6

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士…

  • 7

    「2枚の衛星画像」が伝える、ドローン攻撃を受けたロ…

  • 8

    常圧で、種結晶を使わず、短時間で作りだせる...韓国…

  • 9

    ロシアの大規模ウクライナ空爆にNATO軍戦闘機が一斉…

  • 10

    ウクライナ軍ブラッドレー歩兵戦闘車の強力な射撃を…

  • 1

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 2

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 3

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 4

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 5

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 6

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 7

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 8

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドロ…

  • 9

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 10

    NASAが月面を横切るUFOのような写真を公開、その正体…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中