コラム

世界報道写真入賞作「ささやくクジラたち」を撮った人類学者

2016年08月16日(火)12時14分

#greatwhite #shark #camouflage taken near #guadalupe island in #mexico

Anuar Patjane Floriukさん(@anuarpatjane)が投稿した写真 -

「グアダルーペ島近海のホホジロザメ」
「コスタリカのココ島近海で」

 海洋環境の現実と未来に向けたその保護を意識し、美しいだけでなく、挑発的、あるいは触発的な写真を撮るよう心がけているという。それは人類学者の目を持ち、またそう訓練されてきた写真家としての行動であるようだ。彼に言わせれば、人類学の分野では、メッセージを伝えるために、自らフォトドキュメンタリーの写真家やフォトジャーナリストになることは、かなり一般的であるらしい。

 とはいえ、彼の写真は、はじめに答えありき、答えのみが先行しがちな活動家的な写真家のそれではまったくない。光の芸術家としての力量が備わっており、むしろそちらの方が際立っている。だからこそ、ヴィジュアル的にも問題意識的にも、インパクトがより伝わってくるのかもしれない。

今回ご紹介したInstagramフォトグラファー:
Anuar Patjane Floriuk @anuarpatjane

「メキシコ沖フランス領、クリッパートン島。かつてはマグロ、サメ漁で栄えたが、乱獲で現在はすたれてしまっている」

プロフィール

Q.サカマキ

写真家/ジャーナリスト。
1986年よりニューヨーク在住。80年代は主にアメリカの社会問題を、90年代前半からは精力的に世界各地の紛争地を取材。作品はタイム誌、ニューズウィーク誌を含む各国のメディアやアートギャラリー、美術館で発表され、世界報道写真賞や米海外特派員クラブ「オリヴィエール・リボット賞」など多数の国際的な賞を受賞。コロンビア大学院国際関係学修士修了。写真集に『戦争——WAR DNA』(小学館)、"Tompkins Square Park"(powerHouse Books)など。フォトエージェンシー、リダックス所属。
インスタグラムは@qsakamaki(フォロワー数約9万人)
http://www.qsakamaki.com

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