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南米街角クラブ

島田愛加|ブラジル/ペルー

【実録レポート】世界最大級!ブラジルの日本祭りに行ってみたら

|ブラジルでも馴染みある醤油や日本車

日本企業や日系企業のブースも大盛況である。
特に盛り上がっていたのはやはり食品を取り扱う企業で、キッコーマン、ヤクルトなどの商品が通常の販売価格よりもお得に購入できる。リベルダージ駅前にお店を構えるアジア系食材スーパー東亜のブースは入るのが困難なほどであった。

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2021年11月に発売された待望のキッコーマンしょうゆ photo by aika shimada

また、国内スーパーで流通するサクラ醤油を作るサクラ中矢食品では、自社製品を使った日本食のワークショップなども開催。

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ブラジル人にも人気の日本食 photo by aika shimada

カシオの時計、ヤマハのバイクや日本メーカーの車の展示もあり、中でもトヨタ・ド・ブラジルは#FJTAONという若者アーティスト展示場のスポンサーにもなった。

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#FJTAONブースに並ぶアーティストの作品 photo by aika shimada

花王のビオレ製品の販売や久光製薬のサロンパス配布、ブラジル進出を目指す企業の試食アンケートも行われていた。

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ビオレの製品はインフルエンサーに紹介され知名度があがっている photo by aika shimada

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マンガ本(ポルトガル語訳の正規品)の販売も欠かせない photo by aika shimada

|日本文化、そして日本行きが近づくブースも!?

もちろん展示は食品や商品販売だけではない。
各県人会による民芸品の展示、お茶のセレモニー、各団体による習字、折り紙、切り絵体験も楽しめる。

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雛人形や神輿など県人会による貴重な展示 photo by aika shimada

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日本企業の工場建設を支えるホス建設が用意した茶室 photo by aika shimada
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JICAによる習字体験コーナーでは書いた半紙を持ち帰りできる photo by aika shimada

また、日本への留学相談や出稼ぎ相談、日本ツアーを案内する旅行業者のブースも並び、実際に日本へ行くきっかけを与えてくれる機会にもなるだろう。

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盆栽は"Bonsai" と、そのままでもブラジルで通じる photo by aika shimada

特設ステージではのど自慢ステージや日本からのゲスト登場、ミス日系コンテスト、コスプレのコンテストなどが行われる。
会場内では太鼓のパフォーマンスもあった。

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パラダ・タイコによるパフォーマンス photo by aika shimada

|テーマは「もったいない」

ここまで読んでいただいたとおり、私は初めての日本祭りを大満喫したのだが、気になる点があった。

今回の日本祭りのテーマは「もったいない」
これはオフィシャルガイドや事前の宣伝でも大々的に書かれていた。 会場内の「もったいない」ブースには手書きでかかれた説明があったが、残念ながら立ち止まって読む人は殆どいなかった。

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食事や商品に負けてしまったメインテーマ photo by aika shimada

ブラジルのお祭りや飲食イベントではよくあることだが、日本祭りの屋台でも大量のプラスチック類が使われていた。
「もったいない」がテーマなのであれば、再利用への心がけや無駄をなくすような試みがもっと身近に感じられても良かったのではと感じる。
もしかすると会場のどこかでそういった心がけがあったのかもしれないが、注意しながら見ていても気付くことはできなかった。

|ブラジルにおける日系社会、日本文化の未来

そしてブラジル日系社会の最大の課題を日本祭りの中でも感じた。
それは「世代交代」である。

お気づきかもしれないが、ブラジルには47都道府県すべての県人会が揃っているにも関わらず、県人会の屋台は39店のみであった。
日本祭りに出店する意思のない県もあるようだが、人手不足のために出店できない県もある。

県人会は元々、一世の出身地やその子弟によって成り立っている。
同じ故郷をもつ人同士の交流や、故郷の文化を守るために結成されていたため、二世、三世、今では四世もいる中、故郷への想いは薄れ、県人会に入会しない日系人も増えてきた。

また県人会の中でも会員数、施設や資金事情によって盛り上がりも異なる。
サンパウロに着いた頃、とある県人会のイベントで会った一世や二世の方々に出身県を聞かれて「東京」と答えるとがっかりされ、"強豪"県人会こそ部外者に冷たいのかと感じることもあった。

しかし、出身県にこだわり続けると県人会はいつか存続が危うくなるのではないだろうか。
そんな中、茨城県人会のカウンターには自身が留学した筑波大学の所在地である茨城県の手伝いをしていた日系人女性がいた。
ご先祖様の出身県ではなく、"ゆかりのある人"が県人会と関われる雰囲気があるのは良い取り組みと感じる。

また、非日系の人々が積極的に参加できる働きも必要だろう。
一部の県人会でも非日系人会員がいるように、日本の文化を大切にしたいという人々が中心となって日本文化を盛り上げていく未来が近づいている。

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「私たちの活動をもっとしってほしい」とコスプレで注目を集めるブラジル日本文化福祉協会 photo by aika shimada

まさに世代交代と共に組織の在り方が変わる時なのかと感じる。
これまでの功績を守りながら、新たなステップを踏み出す時が近づいているのだろう。

そのためにはウェブサイトやSNSの立ち上げは必須だ。
県人会はコミュニティ外に向けた発信が足りていない。

SNSを普段から活用し、日本祭りで郷土料理を食べてもらえるようなアピールをしてみたらどうだろうか。
ブラジルで知名度のある焼きそばやたこ焼きなどに比べ、殆ど知られていない郷土料理にこだわりを持って販売している県人会屋台に行列ができないことを非常に残念に感じた。
日本祭りでは、ぜひ郷土料理を食べていただきたい。

日本語とポルトガル語が混じる会場内でそんなことを考えながら、母国についてこんなに考えるようになったのはブラジルに着いてからだとしみじみ思うのだった。

 

Profile

著者プロフィール
島田愛加

音楽家。ボサノヴァに心奪われ2014年よりサンパウロ州在住。同州立タトゥイ音楽院ブラジル音楽/Jazz科卒業。在学中に出会った南米各国からの留学生の影響で、今ではすっかり南米の虜に。ブラジルを中心に街角で起こっている出来事をありのままにお伝えします。2020年1月から11月までプロジェクトのためペルー共和国の首都リマに滞在。

Webサイト:https://lit.link/aikashimada

Twitter: @aika_shimada

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