コラム

アマゾン・エコーが、英会話の練習相手になってくれた

2018年04月19日(木)16時00分

「もうスターウォーズの話はいいや。別の話をしよう」と言うと、「政治、スポーツ、芸能、音楽、ゲーム、どんなことを話したい?」と聞いてきた。「どれも興味ない」と言うと「好きな歌手いる?」「いない」「好きな映画スターは?」などと聞いてくる。適当に返事して飽きてきたので「もういいや。バイバイ」というと、「会話をやめたいときは一言、ストップと言ってね」。「ストップ」。「じゃあ最後の質問、今の対話をランク付けすれば、5段階評価でいくつになる?」「3かなあ」。「ありがとう。またお話したくなったらレッツチャットって声をかけてね」。そう言ったあとソーシャルボットは、黙った。

個人的な感想はと言うと、うんちく好きの友人と会話している感じ。当たり前だけど、ソーシャルボットは、なんでも知ってる。

ただおしゃべりの目的って、情報を得ることだけじゃない。相手の話も聞きたいが、同様にこちらの話も聞いてもらいたい。理解してもらいたい。共感してもらいたい。おしゃべりの目的って、互いに理解し合い、共感し合うことじゃないのかな。

AIに意識はないので共感はできないのかもしれないが、少なくとも共感しているような反応は示してほしいもの。

自分の知識をひけらかすボットではなく、こちらの話を聞いてくれる「聞き上手」ボットの方が人気が出るように思う。もちろんウィキペディアに載っているような話を一方的にする技術より、ユーザーの発話の内容を理解して適切な相槌を打つ技術のほうが何倍も難しいのだろうけど。

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プロフィール

湯川鶴章

AI新聞編集長。米カリフォルニア州立大学サンフランシスコ校経済学部卒業。サンフランシスコの地元紙記者を経て、時事通信社米国法人に入社。シリコンバレーの黎明期から米国のハイテク産業を中心に取材を続ける。通算20年間の米国生活を終え2000年5月に帰国。時事通信編集委員を経て2010年独立。2017年12月から現職。主な著書に『人工知能、ロボット、人の心。』(2015年)、『次世代マーケティングプラットフォーム』(2007年)、『ネットは新聞を殺すのか』(2003年)などがある。趣味はヨガと瞑想。妻が美人なのが自慢。

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